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2021.10.11

知財ニュース

3Dプリント住宅の販売がテキサス州オースティンでスタート、住宅不足の解消へ

3Strands ICON FirstMainstream 3D-printed Homes Sold In America Aug2021 Development

テキサス州オースティンにて、3Dプリント住宅の販売が開始された。

建設したのは、建設用3DプリンタメーカーのICON。同社の3Dプリンター「Vulcan Ⅱ」を用いて建設され、ICON社が開発した高強度コンクリートの「ラバクリート(lavacrete)」を使用して3Dプリントされたという。また、従来の住宅よりも火災、洪水、風、その他の自然災害に耐えられるように設計されており、さらに同社のプリント技術では、わずか数週間で建設することができるとしている。この3Dプリント住宅は同社にとって「初の普及に向けたプロジェクト」だと述べられている。

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3Dプリント技術は、物資調達が困難な土地などにおいて効率良く短時間かつ低コストで構造物を建設できるため、ICON社はこれまでにもテキサス州に北米最大の3Dプリント製訓練用兵舎や、メキシコとの国境沿いの街に地元の低所得層住民に向けた3Dプリント住宅を建設してきた。

アメリカでは特に住宅不足が社会問題化しており、カリフォルニア州やテキサス州などで住宅建設に3Dプリンターを活用する機運が高まっている。近年、オースティンは移住者が急増しており、空き物件の少なさから住宅費の急騰が起きている。ICON社は、同社の建設3Dプリンティング技術によって今後続くであろう住宅不足に対応していくとしている。

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今回のオースティンの3Dプリント住宅の価格は、近隣の住宅価格の中央値に合わせた価格となっており、74万5000ドル(約8200万円)と79万5000ドル(約8740万円)。4軒のうち2軒は購入可能だ(2021年10月1日時点)。

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住宅の販売元であるスリーストランズ社CEOのゲイリー・オデル(Gary O'Dell)氏は、建築方法や所有方法、コミュニティでの暮らし方を変えたいと述べており、「ICON社は、材料、市場投入までの時間、労働力など従来の建設よりもさまざまなコストを削減し、より良い住宅をより適切な価値で提供する」としている。

コスト、廃棄物、手作業、作業時間を減らすことができる3Dプリント建築は、住宅業界や建設業界の近代化を急速に進め、次の世代の建設業のスタンダードを確立することが期待されている。

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Top Image : © East 17th Street Residences

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