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2026.05.14
知財ニュース
パナソニックとインドのIITB、ナノイー技術で運転中の集中力が向上するのかを初検証

パナソニック株式会社は、インド工科大学ボンベイ校(IITB)交通システム研究室の教授監修のもと、ナノイー(帯電微粒子水)技術がドライバーに与える影響を科学的に検証し、運転中の集中力向上に貢献する可能性を明らかにした。この研究は、危険が想定される運転環境下において、ナノイー技術がドライバーの認知・判断・操作に与える影響を一貫して分析した初の試みだ。
交通事故の多くは、ドライバーの認知・判断・操作の誤りによる人為的ミスが原因なのだという。警察庁の統計によると、運転中に注意力が散漫になり、周囲の状況を適切に把握できない「漫然運転(ぼんやり運転)」が、死亡事故原因の第1位となっている。これまでパナソニックは、ナノイー技術の清潔(除菌・脱臭など)や美容分野での効果を中心に検証してきたが、今回の研究では新たな可能性を探るべく、ドライビングシミュレーターを用いて、運転環境における生体への影響を科学的に分析した。
この研究では、インド工科大学ボンベイ校(IITB)交通システム研究室教授監修のもと、運転者に対するナノイー技術の運転中の集中力向上効果を検証した。被検者はインド在住の21歳~42歳の男女20名、試験はIITB実験室チャンバー内で行われた。
一般的に想定される5パターン(歩行者の飛び出し、交差点右折進入、片側道路封鎖、低速車両の追従、看板による注意散漫)の危険な状況を設定したコースを走行し、試験時間は各25分で実施された。
検証は、脳波およびアイトラッキングによる生体データと、アクセル・ブレーキなどの運転操作データを組み合わせ、認知・判断・操作の運転タスクの一連のプロセスを科学的に分析した。
その結果、危険環境下で集中状態の高まりを示す脳波パターンを確認した。また、注視すべき対象への視線が安定し、不要な視線移動も減少した。このことから、ナノイー技術は、ドライバーの集中力向上を支援し、運転パフォーマンス向上に寄与する可能性が示唆された。
この研究は実車とは異なる試験条件下で、インド在住者を対象に実施されたものであり、日本国内でのさらなる研究が必要だ。しかし、ナノイー技術は、運転をはじめとする高度な情報処理・操作を必要とする作業において、人の集中力を支援する技術としての発展が期待される。
Top Image : © パナソニック 株式会社


