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2022.01.06
知財ニュース
山口県海岸に漂着した海洋プラごみを「買い物かご」にアップサイクル―県民、行政、企業が連携して実現
山口県、株式会社丸久、日本水産株式会社、テラサイクルジャパン合同会社は、山口県民と民間企業、行政が連携して海洋プラスチックごみをアップサイクルしてさらにエコ活動につなげる「ONE FOR OCEANプロジェクト」として、県内の海岸に漂着した海洋プラスチックごみを回収し、これを原材料の一部に使用した買い物かごへと循環させた。県内の丸久3店舗で2021年12月11日から導入している。
世界の海洋に流入するプラスチックごみの量は年間800万トンと推定されており、計算上は毎分大型ダンプ一杯分のプラスチックごみが海洋に流出していることになる。そのまま流出を続けると、2050年までには海洋中のプラスチックの量が魚の量よりも多くなるといわれている。
海洋プラスチックごみ問題は山口県も例外ではなく、令和元年に環境省により実施された海岸漂着ごみのモニタリング調査によると、その量は全国でも上位に位置しており、海洋プラスチックごみは生態系に影響を与えるだけでなく、地域の観光や漁業にとっても深刻な問題となっている。
今回の「ONE FOR OCEANプロジェクト」は、このような状況を多くの人々に知ってもらい、海洋ごみ問題の解決策を見出すために実施するもの。山口県が萩市、長門市、阿武町の協力を得て、海岸清掃で海洋プラスチックごみを回収、これを原材料の一部としてテラサイクルジャパンが買い物かごを作製、ニッスイの協力を得て丸久の山口県内3店舗に導入した。
なお、今回の買い物かご作製にあたっては、2021年の7月から9月にかけて萩市、長門市、阿武町の住民や丸久社員あわせて1万人以上が海岸清掃活動に参加し、40トン以上の海岸漂着ごみを集めている。
このプロジェクトを通じて、一人でも多くの人々が海洋プラスチックごみ問題について考え、県内企業や県民とともに海岸にたどり着く漂着ごみを減らす活動の輪を広げていき、地域内での資源の有効活用や循環を促進することができればと考えているとのこと。
Top Image : © 山口県 廃棄物•リサイクル対策課