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2023.04.25

知財ニュース

約9カ月、ISSで宇宙に曝された宇宙実験プロジェクトの対象品が地球へ帰還─時速2万8000kmで宇宙を飛行

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日本の宇宙ビジネスの発展を目指す“宇宙商社” Space BD株式会社は、宇宙空間に曝露させる実験プロジェクト「スペースデリバリープロジェクト-RETURN to EARTH-」で、国際宇宙ステーション(ISS)に打ち上げられた搭載品が地球へ帰還したことを報告。2023年3月27日に国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)筑波宇宙センターで「帰還式」を執り行った。

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「スペースデリバリープロジェクト-RETURN TO EARTH-」は、国内外の研究機関・教育機関・民間企業10組から集められた研究用素材、写真、イラストなどの様々な対象品を宇宙空間に打ち上げ、国際宇宙ステーション「きぼう」の中型曝露実験アダプタ (i-SEEP)で宇宙空間に数ヶ月間さらした後、地球に帰還させるもの。対象品の選定から打ち上げ、回収までSpace BD株式会社がサポートしている。

今回は、工業用ダイヤモンドなどの研究資材や、学生手作りの教育教材、有名人がサインした記念品など、2022年2月にISSに向けて打ち上げられた搭載品が約9カ月間の宇宙空間での曝露を経て帰還。搭載品は、宇宙線・紫外線を浴びながら地上から約400kmの上空を時速約28,000km(約90分で地球を1周する速度)で飛行し、色にも大きな変化がみられたという。

FireShot Capture 351 - Space BD日本初のISS船外設備商業利用プログラム 対象品が地球へ帰還学術利用からコマーシャル利用など幅広い宇宙の利活用に貢献|Sp - prtimes.jp

学術面に加え、マーケティング・ブランディングや教育など、より多様な目的での宇宙利用の実績作りに貢献した同プロジェクト。同社事業開発の佐藤正崇氏は、「宇宙実験の手軽さ」が本プロジェクトの強みと語る。搭載品は今後、ユーザーの目的にあわせて、研究開発・教育・PR利用などへの活用が期待される。

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■「スペースデリバリープロジェクト-RETURN to EARTH-」参加団体
Orbray株式会社(旧社名:アダマンド並木精密宝石株式会社)、京都大学、クラーク記念国際高等学校、Space SAGA、損害保険ジャパン株式会社、たんぽぽ4研究チーム(福岡工業大学、横浜国立大学、北海道大学、ウィーン大学他)、東亞合成株式会社(アロンアルフア)、八戸工業大学第一高等学校、Airvantis、Toucan Space

搭載品リスト:https://space-bd.com/news/20210825.php

プレスリリースはこちら(1)(2)(3)(4)

Space BD 公式サイト

「人類史上初、宇宙展示のアート衛星─アート作品を宇宙に打ち上げ、国際宇宙ステーション(ISS)船外で展示するプロジェクトを始動」(ニュース記事)

Top Image : © Space BD 株式会社

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