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2023.05.16

知財ニュース

ダイソンが大気汚染を調査するバックパック開発─学生による大気汚染調査プロジェクト「ブリーズメルボルン」実施

ダイソン ブリーズメルボルン

オーストラリアのディーキン大学とダイソンは、メルボルンのインナーウエスト地区で、学生が通学時にさらされる大気汚染を測定する市民科学調査「ブリーズメルボルン」を実施した。

本実験は、メルボルンのインナーウエスト地区の6校300人以上の小学生と12人の先生にダイソンの空気質センサー内蔵のバックパックを支給し、4日間にわたり通学路の空気質データを収集するもの。都市部の大気汚染対策のための貴重なデータ収集の目的のほか、子どもたちの調査学習の体験と、地域コミュニティの意識の向上を目的としている。

実験で使用されるバックパックは元々、イギリス ロンドン市およびキングスカレッジ ロンドンで行われた同様のプロジェクト「ブリーズロンドン」のためにダイソンのエンジニアにより開発されたもので、同社の空気清浄機のセンサー技術を利用した携帯型の空気質センサーを内蔵。PM2.5、PM10、NO₂、VOC、CO₂を測定するセンサーとバッテリー、GPSを搭載し、移動しながら大気汚染データを収集できる。

実験後は、ディーキン同大学の研究者らがバックパックを分析し、参加生徒とともに大気汚染を改善するための行動について検討。併せて、参加生徒に対し、本研究が大気汚染に対する理解や科学技術への取り組みに与えた影響についてのアンケートを実施した。その結果、31%以上の生徒が、大気汚染にさらされる機会を減らすために通学方法を変えると回答したという。

なお、参加校は、ジェームズ・ダイソン財団(JDF)が提供する大気質に関する教材を自由に利用可能になるとのこと。本教材は、生徒たちがエンジニアさながらに自ら大気汚染を調査し、既存の解決策を評価することを促すものとなっている。

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ダイソンの空気清浄カテゴリー部門のディレクター・マット・ジェニングスは、「同プロジェクトが大気汚染の問題への意識を高め、一人ひとりが日々浴びている大気汚染の曝露をいかに減らせるか啓発してくれることを願っている」とコメント。この取り組みが、世界中に拡散されることに期待したい。

ニュースリリースはこちら

Top Image : © ダイソン

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