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2025.06.18

コラム | 知財図鑑コラム

知財ハンターがオススメする「創造性を引き出すアートブック」【知を読む】

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世界を進化させる“すごい知財”を日々収集し、クリエイター目線で未来の活用法を提案するWEBメディア「知財図鑑」。知財図鑑に掲載される情報は、日々テクノロジーやカルチャーにアンテナを立て続けている、DAOを目指した自律分散型組織「知財ハンター協会」のメンバーによってハントされています。

このコラム「知を読む」では、職種も年齢も様々な知財ハンターたちがレコメンドする作品を紹介します。今回のテーマは「創造性を引き出すアートブック」です。
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『シド・ミード展 PROGRESSIONS TYO 2019』図録

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映画『ブレードランナー』の空飛ぶ自動車、『エイリアン2』など数々のSF世界を工学的リアリティとともに魅力的に描き、多くのフォロワーを生み出したシド・ミードの作品集。
イラストレーターではなく「ビジュアル・フューチャリスト」を自称し、背景の建物や人物の着衣や日常の細部に至るまで未来社会のエッセンスを詰め込んだ世界観はいつまでも色褪せることがない。

いくら先端技術が進もうと永遠に届かない未来像がそこにあるようで、定期的に見返したくなる作品です。作品集はどれも入手困難ですが、日本で開催された展覧会図録をおすすめ。(レビュアー:ryoar)

『シド・ミード展 PROGRESSIONS TYO 2019』図録

Corporate Communications of Olivetti オリベッティのコーポレートコミュニケーション 1・2 A3・A4|Design Systems for Corporations

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デザイン学生時代、CIやグリッドデザインやマニュアルを考える際にお手本にされ、とっても憧れたオリベッティ社のコーポレートデザインの本です。
Olivettiの有名なタイプライターを筆頭に、プロダクトもロゴもポスターも、ロゴを使用した段ボールなどの社用ツールに至るまで、Olivetti「らしさ」が全面的に出ている愛くるしいCIマニュアルとは私の中ではまさにこれ。(レビュアー:ぷくし

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New York City Transit Authority Graphics Standards Manual

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1970年に発行されたニューヨークの地下鉄標識デザインマニュアル「Graphics Standards Manual」の復刻版。

以下にスライドで見れるサイトも見つけてしまいましたが、これでもか!とNY地下鉄のサインが詰まった、NY地下鉄のサインを大満喫できる本です。個人的にはこれをおかずにご飯が食べられるほど堪能できます。
このニューヨークの地下鉄標識CIはデザインチェンジせず、ずっとこのままで居てほしい。この本は判型が正方形ですが、その判型を生かしたグリッドシステムを用いた誌面レイアウトも素敵です。
(レビュアー:ぷくし

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電線絵画 小林清親から山口晃まで

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アートブックは大好きなので本当に迷いましたが、日本近代以降の「電線」にまつわる美術作品・資料のみを集めた練馬区立美術館の企画展カタログを紹介します。前代未聞の量と質の電線・電線・電線風景。こんな展覧会は二度と開催できないはず……。

「電線がある風景画」は美術史において日本だけに存在する特殊ジャンルだと発見したこと。膨大なリサーチで実物の作品を一堂に会し「画題としての電線」の価値を証明したこと。鬼のような学芸員さんの努力による功績です。「電気」という新しいテクノロジーが台頭したとき、日常がどう変わり、アートがどう反応したのかという、創作に関する深いテーマがあります。そしてこの図録を見ながら、きっと日本のマンガやアニメを思い出すはず。「エヴァ」や「rain」の電線偏愛も、『ドラえもん』の街並みになぜか電線がしっかり描いてあることも。電線の謎はここからはじまったんです。(レビュアー:GANTAN)

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世界をきちんとあじわうための本 / ホモ・サピエンスの道具研究会

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「ホモ・サピエンスの道具研究会」という人類学者を中心メンバーとしたリサーチグループが出版。元々「のこりもの 世界の性質:残るということについての研究」という展示の記録集として作成されています。
私自身はこの展示に行っておらず、たまたま渋谷の大好きな本屋さんでタイトルに惹かれて手を取りました。
顔をあげたら吹いた風、路地に咲くつつじの香り、団地の間で人々が話す声。そうした何気ない日常をていねいに見ていくと、私の中に眠っていた創造性がうずうずと動きだす。その小さなざわめきに耳を澄ませたくて、もう一度、世界をゆっくり見渡してみたくなりました。(レビュアー:こばりん)

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1000 Chairs

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本、と言っていいのかわからないくらいただただ大量の椅子について説明している、載っているだけの700ページを超える紙の束(褒めてます)。
200年にわたって先人たちが機能性とアートの狭間でチャレンジを続けた(もしくはその関係を破綻させた)1000脚以上の作品をパラパラめくって眺めるだけで想像力が刺激されるし楽しい。
そして重たい。 (レビュアー:yuk)

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HENRY DARGER'S ROOM

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アウトサイダー・アートの巨匠、ヘンリー・ダーガーの『HENRY DARGER'S ROOM』。
これは、彼の死後に発見された、まるで彼の脳内そのもののようなアパートの部屋を記録した写真集。膨大な物語と絵画、そして日用品が混沌と、しかしある種の秩序をもって並べられた空間は、まさに創造性の源泉そのもの。どのようにしてあの壮大な世界が生まれたのか。その痕跡を辿ることは、私たち自身の内なる想像力を刺激し、新たな視点を開いてくれるのではないか。単なるアートブックを超え、クリエイティブな探求へと誘う一冊です。(レビュアー:sanjrow)

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いかがだったでしょうか? このコラムでは引き続き「知財ハンター」のメンバーがオススメするモノ・コトを定期的に紹介していきます。自分もオススメを共有したい!新しい技術やトレンドについて交流したい!と感じた方は、まずは「知財ハンター協会」のDiscordコミュニティに気軽に参加してみてください。

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