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2020.01.05
コラム | 知財図鑑コラム
妄想は実現のはじまり。
タイトルを正確に言い直します。
‟妄想の「ビジュアライズと発信」は、実現のはじまりである。”
この記事では、知財図鑑が推奨する「妄想プロジェクト」についてご紹介していきます。新規事業に関わる方や、プロジェクトを立ち上げることが多い方は、ぜひ読んでみてください。
妄想は、全人類に保証された自由な発想
優れたサービスや商品も、誰かの妄想から始まることが少なくありません。しかし、いくら良いアイディアを思いついても脳内で妄想しているだけでは形にはなりません。
特にチームで新しいことに取り組む場合は、設計図や、企画書、ビジョンといった、客観的に評価が受けられる情報があってはじめて、車輪が回り出すことが一般的でしょう。
昨今では、ドキュメントより先にプロトタイプを作ってしまうという方法もありますが、すべてのアイディアを試作できるかというと、そう簡単ではありません。
「0→1」が苦手な日本の新規事業部
日本企業においては「新規事業部」と呼ばれるようなチームが、新しいアイディアを形にしていく使命を担っていることが多いですが、こんな声をよく聞きます。
「企画自体はよく出るのだが、実行にOKが出にくい」
「最近はメンバーが萎縮して、企画すら出にくくなった」
個々の企業の課題はあるでしょうが、概して以下の事項は共通していると考えています。
・新規「事業」として取り組むため、数年(短いと単年)での黒字化の見通しが立たないと決済が降りない仕組みになっている
・前例がないアイディアになればなるほど「収支計画」が立てにくくなり、リスクを追えない管理者はハンコが押せなくなる
海外ではアフォーダブル・ロス(Affordable Loss)、つまり「許容範囲の損失」という言葉があり、チャレンジを促す仕組みを導入している企業もありますが、まだまだ日本では石橋を叩く文化が主流でしょう。(アフォーダブル・ロスについての参考はこちら)
これは、大企業に限った話でもありません。投資家からのファンディングを前提にしたベンチャー企業においても、回収のスピードが求められる場合に同様な課題が顕在化しているように思えます。
妄想には責任がなく、萎縮を解き放つ
前例のないチャレンジを担うべきポジションの人々を、萎縮から解放してくれるのが「妄想」というマジックワードです。
妄想はあくまで妄想であり、計画ではなく、責任もないし、否定されてヘコむ必要もありません。よそ行きの堅苦しい言葉も必要なく、純粋な欲望をそのまま表現しやすいという利点があります。だからこそ発言しやすいものです。
そして、純度の高い妄想は共感する人の心を射抜きやすく、コミュニティの枠を超えて協力者が見つかる可能性が高まります。
妄想は、自前主義を取り払ってくれる
従来的な企業においてはパートナーシップを外部組織に打診することさえ一苦労です。だから計画段階ではなるべく自前でできることがベースになり、アイディアが小さくまとまってしまうこともしばしば・・・それで収支計画が控えめになってしまうというのは負のスパイラルです。
パフォーマンスの高い単一機能型組織が爆発的に増え、GAFAをはじめとした大規模組織もアライアンスに積極的になってきているこの時代だからこそ、新しいチャレンジを自前でやりきろうとするのはナンセンスです。「純度の高い妄想を発信して、仲間が現れたら実行に移す」くらいの構えが、ちょうどいい湯加減かもしれません。
低カロリーでクイックに、キモは正確に表現する
ツイート、ブログ、社内イベントでの資料共有など、妄想の表現方法は多様ですが、「純度の高い妄想」には一定の条件が必要です。
「瞬時に伝わること」
「伝わり方にブレがないこと」
「興味を引くキモがあること」
この3点が揃った状態で伝搬していくと、共感する人が見つかりやすいものです。このあたりは、広告会社やクリエイターが得意とする表現領域です。
しかし妄想はあくまで妄想であり、思いついたすべての妄想をクリエイターとともに映像やWebサイトに落とし込んでいくのは現実的ではありません。何よりコンスタントに妄想を発信する癖をつけることが重要であり、疲弊は妄想の敵です。
そこで知財図鑑が考えた発信フォーマットが「妄想プロジェクト」です。
妄想プロジェクトとは
構造は極めてシンプルです。
① 妄想タイトル
② イメージ写真 or イラスト
③ 説明文(数行)
この3点を、特定の知財に紐づけて発信するのです。
ポイントは「特定の知財に紐づけて」いるという点です。親和性の高いテクノロジーとセットで発信することで、妄想を「実現できるかも?!」という空気をまといながら伝わっていくため、発展しやすいと考えています。
すでに実現されたプロジェクトも
たとえば、「浮像(うくぞう)」という知財を元にした妄想が実現しました。浮像とは、絵などの2次元の表現物に影をつけて立体的に浮かび上がるような錯視を起こす機構です。(浮像の詳細はこちら)
そんな不思議な錯覚を目の当たりにした知財ハンターが浮かべた妄想がこちらです。
【お絵描きが楽しくなるデスクライト】
立体的な絵を描きたい、こんな想いを一度は抱いたことがあるだろう。
しかし、多くの人が「自分にはセンスがないから」とセンスのせいにして諦めてはいないだろうか。そんな想いを形にしてくれるのが「浮像」を搭載したデスクライト。このライトを使えば、描いた絵に勝手に影がついてくる。立体感の増した絵は自然と上手に見えてくる。
さらに、浮く像ライトが演出してくれた影を上からなぞっていくことで、実際に立体感のある絵を描く練習ができる。影をつけるスキルを手に入れたとき、あなたの絵はワンランク上のもになっているはずだ。
このシンプルな「妄想プロジェクト」に、知財ホルダーであるNTTの研究者の方が賛同してくださり、デスクライト型のプロトタイプを製作するに至りました。
この具体化にあたって、重厚長大な企画書や事業計画書はありませんでした。タイトル・写真・テキストの3点セットでプロジェクトが成立することを改めてお知らせしたいです。
知財図鑑は、無責任な妄想の代弁者になります
ここまで妄想の利点を書き連ねてきましたが、それでもやはり企業においては自社メディアや社員の個人SNSで妄想を発信することに、すぐに抵抗がなくなるとは思えません。
知財図鑑は「既存事業との利害関係がない中立的なメディア」の立ち位置から、無責任な妄想の代弁者になりたいと考えています。
・知財図鑑を見て、いいことを思いついてしまった方
・ご自身が優れた知財を保有していて、かつ、いいアイディアがある方
・知財を保有しているが、アイディアがないので一緒に使いみちを考えて欲しい方
ぜひ知財ハンターにご連絡ください。
責任を持って、妄想の伴走、ビジュアライズ、そして発信のお手伝いをしてまいります。
↓ 知財ハンターへのお問い合わせはこちら ↓
https://chizaizukan.com/contact
そして妄想を実現したいプレイヤーが集まった際には、実現のお手伝いもいたします。「妄想は実現のはじまり」であることを、ご一緒に証明していきましょう。
↓ プロトタイピングのご用命はこちら ↓
https://bakusoku.konel.jp/
妄想発信者が増えると、日本発のイノベーションが増えると信じています。