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2021.07.30
コラム | 特許図面図鑑
【特許図面図鑑 No.01】日本の金メダル一覧を特許図面で振り返る(東京2020オリンピック 前半戦)
東京2020オリンピックが開幕しました。
己の限界に挑戦するアスリートの方々からは活力や勇気が貰えますね。そしてここまで、日本勢は怒涛の金メダルラッシュです。前半戦だけでも15個の金メダルを獲得しました!(7月30日 12:00 現在)
その興奮冷めやらぬ中、本記事では金メダルを獲得した各競技に関連する「特許図面」を紹介します。特許の内容を示すために作成された特許図面は、実はかなり素敵な知的財産。図面とともに色々な技術分野に触れながら、さらっと楽しんでいきましょう。
なお、以下にて紹介する特許は、実際の選手やオリンピックの競技内容とは何ら無関係です。競技に関連して「こんな技術(特許)があるんだ!」と感じてもらえたら幸いです。
■柔道:金メダル1号, 4号, 5号, 7号, 9号, 12号, 14号, 15号
<1号:男子60キロ級(髙藤 直寿 選手)>
<4号:女子52キロ級(阿部 詩 選手)>
<5号:男子66キロ級(阿部 一二三 選手)>
<7号:男子73キロ級(大野 将平 選手)>
<9号:男子81キロ級(永瀬 貴規 選手)>
<12号:女子70キロ級(新井 千鶴 選手)>
<14号:女子78キロ級(濵田 尚里 選手)>
<15号:男子100キロ級(ウルフ アロン 選手)>
特許第5312530号:柔道指導用補助具
本特許はパイプ材等で構成された「柔道指導用補助具」に関する発明。投げ技や受け身を練習するときに用いられるものです。実際の柔道選手&指導者もこういった補助具を使っているのでしょうか?
特許第5312530号
(出願日:2011.7.15)
特許第4701362号:前回り受け身補助機能付き上衣
こちらは前回り受け身の補助機能が付いた上衣です。発明者の濱田 初幸さんは、アジア選手権金メダルの獲得経験を有する元柔道選手。この上衣には、前回り受け身時に音を発する装置が取り付けられているようです。ご自身の柔道経験をふまえて生まれた発明なのかもしれませんね。
特許第4701362号
(出願日:2007.9.19)
特公平01-053073:柔道用投げ力鍛練機
柔道用投げ力鍛錬機...!どの様な効果が得られるか、その名称から一目瞭然ですね。第2図によれば、背負い投げ力が鍛えられそうです。
特公平01-053073
(出願日:1984.3.29)
■競泳:金メダル2号, 11号
<2号:女子400メートル個人メドレー(大橋 悠依 選手)>
<11号:女子200メートル個人メドレー(大橋 悠依 選手)>
特許第6374877号:特にうねり運動を必要とする泳法を成し遂げるための水泳補助アクセサリ
発明の名称に「うねり運動」とあるように、図面にも躍動感が表れていますね。「フロート40」等、浮き輪の様に浮力を有する補助グッズに関する特許です。
特許第6374877号
(国内出願日:2013.11.21)
US6375530:Whaletail swimming device
鯨の尻尾の様なフィン...!気持ちよく泳ぐことができそうです。
US6375530
(出願日:2001.1.31)
US9248344:Arm-powered swimming aid
今度は腕で操作するタイプのフィン...!上述の鯨フィンと合わせて使用すれば2倍の効果が期待できるでしょうか。
US9248344
(出願日:2013.12.20)
US7559817:Canine swim safe vest and collar
ワンちゃん用の浮き輪ベストに関する米国特許。手書きの図面が味わい深いです。
■スケートボード:金メダル3号, 6号
<3号:男子ストリート(堀米 雄斗 選手)>
<6号:女子ストリート(西矢 椛 選手)>
特許第5731684号:スケートボーディングの技である「オーリー」の高さ測定デバイスおよび測定システム
発明の名称が非常に分かりやすいですね。加速度センサ等に基づいて、「オーリー」の高さを自動測定するという発明。色々な分野に応用できそうな技術です。
特許第5731684号
(出願日:2014.3.24)
US9387388:Electric skateboard
こちらは米国特許です。スーツ&ネクタイ姿の人物が颯爽とスケートボードを乗りこなしています。ポケットに入れた右手とネクタイのなびき具合が高得点ですね。
US9387388
(出願日:2013.7.30)
■卓球:金メダル8号
<混合ダブルス(水谷 隼 選手 & 伊藤 美誠 選手)>
特許第4736410号:卓球ラケット
こちらは手で持つ部分の形状に特徴がある卓球ラケット。穴に指を通してグリップを把持することにより、安定したプレイが可能になるようです。特許明細書の記載によれば、腱鞘炎の予防にも繋がるとのこと。
特許第4736410号
(出願日:2004.11.8)
■ソフトボール:金メダル10号
特許第5563140号:野球等のゴロ捕球用練習具
大リーグボール養成ギプスを彷彿とさせる品...!首輪&腕輪を装着することで、腰を落としてゴロを捕球する訓練になるようです。こうした身近な内容でも特許を取ることができるという、素敵な事例ですね。
特許第5563140号
(出願日:2013.10.29)
■体操:金メダル13号
<男子個人総合(橋本 大輝 選手)>
特許第4381234号:運動用補助器具
先日公園にて懸垂を試みたところ、1回上がっただけで身体が悲鳴を上げました。この発明があれば、若い頃の様に何回も懸垂ができるでしょうか。
特許第4381234号
(出願日:2004.6.16)
以上、前半戦の振り返りでした。後半戦も期待しましょう!
ライティング:知財ライターUchida
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