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2023.04.04
レポート | 42LABEL
【42 LABEL】草野絵美×amity_senseiが語る、NFT界におけるファンコミュニティの作り方
「42LABEL」とは
3月26日に渋谷109にて、クリエイターを対象にmetaとシンセカイテクノロジーズが運営するクリエイターレーベル・cryptex共同開催のワークショップイベント「42 LABEL」が開催されました。
NFTコレクション「Shinsei Galverse(新星ギャルバース)」ファウンダーの草野絵美氏と、クリエイティブなiPadの使い方を発信しているYoutuber・amity_sensei氏が登壇し、NFTプロジェクト運営におけるファンコミュニティの作り方をテーマに、特徴や可能性などを語っていただきました。
「42 LABEL」はmeta × cryptexが主催する、初心者クリエイター向けにNFTを「知る」「持つ」「作る」「売る」という4つのステップに分けて全6回、年2回実施するワークショップ形式のイベント。NFTを制作する方法、コミュニティを盛り上げる方法などクリエイターが新たなスキルを学ぶことを目的としています。
metaがクリエイターの活動を後押しするための新たな拠点として2023年3月に運営を開始した、渋谷109の8階「クリエイターコラボレーションスペース」で開催されました。
クリエイター向けに、ブランドや企業のNFT活用事例を紹介
トークセッションの前段として、cryptex事業責任者yayopii氏とcryptexプロデューサーのasami氏による「NFTとは何か?クリエイターのNFT活用事例」など基礎的な部分をセッションを実施。
NFTを活用した企業の話にも触れ、現状では個人だけでなく、ブランドや企業がNFTを活用した事例が増加しており、某美容ブランドではでは自社ブランドのエンゲージメントを高めるために無料でNFTを配布し、所有者には1000ドル相当の化粧品がもらえるなど、友人や家族が化粧品サンプルをもらえて顧客ロイヤリティを高める施策の取り組みが開始されています。
他にもBEAMSとNFTプロジェクト「metasamurai」がコラボし、クリスマスに店頭にある洋服をARフィルターを活用して写真撮影できるキャンペーンを打ち出したことで客足が伸び、売上向上につながっていたり、ブランドとNFTプロジェクトのコラボが今後もさらに増加していくのではないかといったNFT活用への期待が膨らむ内容でした。
また「NFT界ではホルダーとしての楽しみ方も豊富にある」と実際に多くのNFT作品を所有しているasami氏は語り、「商業利用が許可されているNFTでのグッズ制作」「シールの交換、収集」などクリエイティビティのある楽しみ方を紹介しました。
左からcryptex事業責任者のyayopii氏、cryptexプロデューサーのasami氏
NFT界におけるファンコミュニティの作り方
次に草野氏、amity_sensei氏による「ファンコミュニティの作り方」をテーマに、事前にクリエイターから質問を募ったQ&A形式のトークセッションが行われました。
Q.どのようにファンコミュニティを作っていけばいいのでしょうか
左から、amity_sensei氏、草野絵美氏
草野:ファンコミュニティの作り方は、大きく3つあります。1つ目は、違うコミュニティに宣伝をすることです。ギャルバースの総数は約8,000体なのですぐに完売させるのは厳しいと考えました。そのためリリースまでに5ヶ月を費やし、「どんなコミュニティの層に購入してほしいか、コミュニティメンバーになってほしいか」を考えてアプローチを行いました。コミュニティの中でもアジアのアニメが好きな人達、女性コミュニティなどギャルバースと親和性の高いところに声をかけ、WL(先行販売権)を配りました。
2つ目はギャルバースの想いや今後の展開を細かに説明し、指針を立てることです。例えば、ギャルバースでは「アニメを作りたい」という目標があるのでそのムーブメントに参加してくれる人を募っていきました。その際に報酬面も細かく開示して透明性を高く保つことを意識しましたね。
3つ目はNFT販売後にホルダーさんのクリエイション支援を行うことです。ギャルバースの二次創作、Vtuberとして配信活動を行ったりしている人を支援していますね。最近ではAI技術が発達してきていてギャルバースの絵の名前と行動を入力すると作品ができるので、より多くの方が創作に参加するチャンスが増加しています。
Q.NFTクリエイターが自分の作品を売る際にするべきことはなんでしょうか
草野:初めの一歩として、とりあえず今あるクリエイティブをNFT化して、ミント(NFTの販売サイトに公開すること)だけでもしておくというのはありだと思います。ミントしておくだけで、ある日急に誰かに見つけてもらえる可能性もあります。
実際に私の息子が作成した「Zombie Zoo」というプロジェクトでは発売2週間目で有名なアーティストの目に留まり、完売しました。あえて価格をつけずに置いておくという方法もありますし、何にせよ、ミントだけしておくということは大事ですね。
Q.これからNFTクリエイターを目指す人はまず始めに何をすればいいのでしょうか
草野:NFTはストリート文化な部分があるのでカウンターカルチャーが受けているんですよね。ロードマップを出すのが主流だった時期はロードマップなしのプロジェクトがウケたり、パクリが出れば出るほど本家が盛り上がるストリートファッションなどと類似している点があります。なので、まだ市場に出ていないものを見つけて勝負するのも良いのではないかと思います。
amity_sensei:まずは二次創作をしてみるのもいいと思いますね。商用利用を許可しているNFTプロジェクトは豊富にあるので、まずそこから始めてみて1つ売れたらツイートで報告してまた売れる、それが積み重なることで相乗効果を生むのではないかと思います。
また、自分にあったプラットフォーム、界隈で勝負することが大事だと思います。私自身の経験として、YouTubeで発信しているコンテンツをtwitterで発信しても全然ハマらないけど、他のSNSならハマるなど、自分に合う場所があると思うのでそこをリサーチすることが大事だと思います。
Q.NFTを活用してるZ世代へリーチする方法について何か良い方法はないでしょうか
草野:既存のプロジェクトでターゲットを変えることは難しいので、施策を打つとしたらZ世代向けのコレクションを新しく作成し、コンテンツを作るのが良いと思います。
amity_sensei:無理にZ世代向けを狙おうとしすぎると、今応援してくれている人が離れていく可能性がありますよね。Z世代に人気のインフルエンサーとコラボして売っていくのも1つの手だと思います。
Q.仕事と並行しながらホルダーとの絆を深めたり、コミュニティを運営していく上で意識していることは何でしょうか
草野:いろんな人に頼って自動的にコンテンツが生み出される仕組みを作ることに注力するのがいいと思います。NFTプロジェクトの運営では制作やコミュニティでの会話などやるべきことがとても多いので、自分で手が回らない部分は得意な人に担当してもらい、うまく回していくのが良いと思います。
例えば、ギャルバースでは保有しているNFT絵柄を有料キットを購入すればVtuberでも使用できるというものがあります。これを活用してホルダーの皆さんがVtubeなどでギャルバースの宣伝をしてくれるので他のコミュニティにもリーチすることにつながっています。
■草野絵美氏(@emikusano)
「Shinsei Galverse」共同創業者。販売開始後、24時間売上げランキングで世界1位を記録した。その他にもアーティスト活動、著書「ネオ子育て」を出版するなどマルチな分野で活躍する。
■amity_sensei氏(@amity_sensei)
iPadでクリエイティブ制作をするためのやり方や便利ツールなどを発信しているYouTuberであり、NFTコレクション「iPadmate」を運営している。小学生向けにiPadを使用してクリエイティブ活動を教える「iPadmate kids」も運営している。
レポートまとめ
今回イベントに参加した方の多くが熱心にメモをとっており、フリータイムでは積極的に質問したりするなど熱量が高い印象でした。実際にディスコードを触っている人が大半で情報の感度が高い方が多かったようです。イベント終了後、参加者の方に感想を聞いたところ、「トークセッションでは学ぶべきことが多く、来てよかった」「実際にプロジェクトを運営していて実績を出している人の考えや戦略などがとても勉強になった」などの声があり、かなり満足度も高いようでした。
ファンコミュニティの作り方
短期的に考えるのではなく、長期的な目線で一つの目標に向かって一緒に盛り上げてくれる仲間を募り、販売後も継続的にホルダーの支援などをしていくことが鍵になりそうです。クリエイターの方はまずは作品をミントし、NFTにしておくことから始めるのが良いと思います。また、自分の得意な領域、界隈をリサーチしてアプローチするのが売れるための近道なのではないかと思います。
「42LABEL」イベント限定NFTを配布
クリエイターの方にNFTを身近に感じてもらうために、イベントに来場した方に42LABEL限定NFTが配布されました。次回のイベントでも配布予定なのでぜひ来場の際は入手してください。
次回イベントについて
4月16日に第二回「42LABEL」イベントを実施
NFTコレクション「Metasamurai」のクリエイティブ・ディレクター・Rusher氏と「What’s UP John!」のファウンダー・SHIBACHAN氏をゲストにお迎えし、「NFTクリエイティブのヒント」というテーマで深掘りしていきます。