No.073

2020.02.06

超高速・液体3Dプリンター

Rapid Liquid Printing

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概要

この知財は、MITの研究グループ「Self-Assembly Lab」がSteelcase Inc.と共同開発し、2017年に発表した革新的な液体3Dプリント技術である。このシステムでは、ロボットアームの先端に取り付けられたノズルから特殊な材料を吐出し、液体(ゲル)中で化学反応により硬化させ、造形物を作る。これにより、従来は大きさや形状に制限があった3Dプリントにおいて、複雑な形も短時間で生成が可能に。大型製品の量産や、繊細な造形物の再現など、応用可能性も幅広い技術だ。

なにがすごいのか?

  • 従来は再現が難しかった複雑な形状を3Dプリントできる

  • 1デザイン当たりわずか数分しか掛からず、従来方式をはるかに上回るスピード

  • タンクサイズを拡大すれば、大型製品もプリント可能

  • 3Dプリント工程を終えた造形物は簡単に取り出すことができ、後処理工程が不要

なぜできるのか?

ゲル状の液体の中で硬化

コンピュータ制御によるロボットアーム先端のノズルから特殊な材料を出し、液体(ゲル)中で化学反応により硬化(堆積)させ、物を生成する。ゲルが生成物をサポート構造し、液体中に浮いたような状態のまま複雑な形状を3Dプリントできる。

手軽な操作で高速プリント

1デザイン当たりわずか数分という速さでプリント可能なうえ、3Dプリント工程を終えた造形物は簡単に取り出すことが可能で、面倒なサポート除去作業など、後処理工程がいらない。

素材や大きさを選ばない汎用性

プラスチック、ゴム、ポリウレタンなどの材料で生成可能。またゲルを入れるタンクサイズを拡張すれば、大型家具の3Dプリントなどもできる。すでに自動車メーカーの材料開発への協力が始まっているなど、汎用性が高い。

相性のいい産業分野

アート・エンターテインメント

職人の手に頼られていた複雑な民芸品や細かい作品の量産

教育・人材

複雑な地形の地球儀を正確な縮尺で再現した、リアルな地理学習

住宅・不動産・建築

途上国や災害被災地等で使える簡易住居

生活・文化

人間や動物、自然データなどを取り込んだリアルで精巧なオブジェ

医療・福祉

リハビリや治療などに用いるサポート材の出力

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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