No.088
2020.09.11
世界の物流を変える包装技術
強化段ボール「ナビエース」
概要
強化段ボール「ナビエース」は、通常の段ボールに比べ、はるかに高い強度を持つ段ボール。物流における包装手法は、近年の通信販売の普及に伴って、防虫・廃棄処理に多大なコストのかかる「木箱包装」から、大量の商品を迅速かつ安価に輸送・保管できる「段ボール包装」へと変遷している。それ故に、段ボールの質の向上は、今や物流の要として認知されている。ナビエースは、物流の在り方を大きく変えようとするものである。波を打つ「中芯」と呼ばれる部分の設計改善を通じて、重さ3キロの鉄球を落としても凹まない強度を獲得。将来的には、ナビエースによるトータル物流コストダウンの実現が期待されている。
なぜできるのか?
トータル物流コストダウン
一般的な物流コストの内訳は、輸送費60%、保管・荷役27%、包装材5%、管理費その他8%と言われる。ナビエースは、単なる包装コストの削減だけでなく、梱包作業工数の削減、輸送・積載効率の向上、保管の効率化、開梱性、廃棄のしやすさまで、物流トータルでのコストダウンを視座に入れている。
60%以上UPした圧縮強度
ナビエースでは、波を打つ中芯と呼ばれる部分を、加熱によって硬くなる特注紙で構成する。この工夫により、ナビエースのシングルの強度は、従来の段ボールのダブルに匹敵する。この高い強度によって、以下のような包装が可能となる。
・大型フィルムロールの宙吊り包装(最大1000kg×3段)
・輸出用の椅子40脚の包装(150kg)
・農薬散布用の無人ヘリコプターの包装
・複雑形状である自動車用ヘッドライトの包装
・アップライトピアノのオール段ボール包装(300kg×3段積)
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
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