No.187
2020.08.24
油の海洋流出事故で活躍する救世主
マジックファイバー
概要
マジックファイバーは、ナノファイバー(超極細の合成繊維)の一種で、低コスト化と安全性を両立して量産化を可能とした知財である。原料の配合により繊維自体に、超撥水性、断熱特性、吸音特性、抗菌性など、様々な特性をもった素材を新たに作り出すことができる。多分野に応用可能な中でも、昨今の集中豪雨の被害地域や2020年7月に発生したモーリシャス沖の原油流出事故における「油吸着剤」としての活用方法に注目が集まっており、油の除去作業現場でも大きな貢献をしている。
実現事例 実現プロジェクト
油吸着剤
自重の50倍という、大量かつ高効率に油を吸うことが可能な製品。また油は吸うが水はまったく吸わない、吸った油は強力に保持して垂れないという特性もあるため、飲食店のグリストラップや産業用廃油処理現場などで活用されてきた。最近では自然災害時に流出した油の回収作業や、モーリシャス沖の原油流出事故の汚染を食い止める知財として活用されている。
※<モーリシャス緊急支援プロジェクト>も実施中
http://mauritius-rescue.com/
なぜできるのか?
大量生産が可能なナノファイバー素材
1時間あたり30kgが生産可能な生産方式を開発し、量産化が可能になったため、コストダウンにもつながった。
従来方式より安全な生産技術
従来は製造過程での爆発の危険性などがあったが、マジックファイバーは高速・高圧の空気制御に基づくため安全性が高い。
原料の配合によりさまざまな特性の素材に応用可能
超撥水性、断熱性、吸音性、抗菌性、吸着性、フィルター性能などさまざまな特性があり、用途によって高めたい性能の原料の配合を調節することで、幅広い応用が可能。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
特開2016-183435:ナノファイバー製造装置及びナノファイバー製造方法
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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