No.210
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2020.11.28
情報を秘匿したままデータ解析ができる技術
秘密計算技術
概要
秘密計算技術は、データを秘匿したまま計算処理できる技術である。計算する側からはデータの内容を確認することができず、ただ出力された計算結果だけが提示される。データを渡さずに計算結果だけを渡すという新たなデータ連携方法により、提供後の消去や目的外利用の懸念を払しょくし、データ連携に向けた事前同意へのハードルを下げることができると考えられている。大規模な情報漏洩など、個人のプライバシーに関わる様々な問題が危惧されるデータ駆動型社会において、個人情報や生体情報、企業の機密情報などの取り扱いの安全性を高め、データ連携を加速させることが期待されている。
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BIAS Window | 情報が偏ると曇り、多様化すると晴れる
未来の社会では、レコメンド機能の加速により、接触する情報のフィルタリングが加速する。興味関心のある情報は似たような記事から詳細なデータまで豊富に目に入る一方、無関心なもの、見たくない情報は無意識のうちに遮断する傾向は強まっていくだろう。 あなたが摂取する情報の質がトラッキングされる未来において、「偏り」を把握し、視野が狭くなったことを検知すると曇る窓を考える。偏りの判定には「秘密計算技術」が用いられ、各個人のデジタルデバイス上での情報を秘匿したまま、情報のカテゴリが分析される。意識的に多様な情報に触れ偏りが閾値を下回ると、段々と曇りが晴れていき、外がよく見えるようになる。直感的な単機能テクノロジーは、日常の中で「ハッ」と気付く瞬間を提供してくれるはずだ。
なぜできるのか?
秘密分散に基づく手法
データを複数に分割し、さらにそれぞれを複数のサーバへ分散して計算する。個々のデータは乱数によって秘匿されており、さらに複数のサーバへ分けられているため復元が極めて難しく、非常に高いレベルのセキュリティを保つことが可能。
処理速度の向上
単位時間あたりに処理できるデータ量として、従来約9万が限界だった処理スループットを約130万に引き上げることに成功。
開発支援ツールの提供
簡単に秘密計算のプログラムが作成できる開発環境を構築、ソースコードの一部を一般に公開している。これを活用することで、以前は専門家が1カ月程度かけて行っていた作業を、一般のシステムエンジニアでも数日程度の作業で完了させることが可能。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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