No.222
2020.12.11
サイバーとフィジカルを融合する、拡張仮想空間提供システム
Advanced Virtual Reality(AVR)システム
概要
「Advanced Virtual Reality(AVR)システム」は、VRにおける既存課題の解決と快適なVR体験の実現を目指す、VR体験環境構築システム。仮想空間と現実空間の情報がリアルタイム合成されるため、AVRシステムを搭載したヘッドマウントディスプレイ装着者は自身の手足・手に持つ道具・周辺にある物体を視認し、仮想空間内で実際のペンを持って紙に自筆したり機械を操作したりできる。将来的には、従来型VRシステムの持つVR酔いや周辺安全確保などの課題解決に大いに貢献するだけでなく、さまざまな業種でのVR活用事例を増やす波及効果をもたらすことも期待される。
ヘッドマウントディスプレイ前面のステレオカメラが捉えた現実空間の対象物を仮想空間に表示する。複数の人で同時体験する場合には、仮想空間に居ながらも、面と向かって相手と会話したり触れ合ったりすることができる。
また、利用者のニーズに合わせたモバイルタイプや複数台を接続したタイプなど、より快適でストレスフリーなVRシステムの開発が進められている。
なぜできるのか?
高い臨場感をもたらす、実写・CGの「Mixed Reality」
独自の合成アルゴリズム(特許取得済)によって、3DCG生成されたVR映像(仮想空間の情報)と搭載カメラで全方位撮影した実写映像(現実空間の情報)とをリアルタイム合成することで高い臨場感がもたらされる。
仮想と現実を融合する「リアルタイム合成」
クロマキー合成(背景にグリーンなどの色を配置して色相比較で合成)やデプス合成(カメラ立体視でカメラと被写体までの距離を算出し合成)といった映像合成を同時かつリアルタイムで行なうことで、体験者の手足などを仮想空間内で非常に高精度に視認させられるようにしている。クロマキー合成では、はっきりとしたエッジ抽出が必要な箇所にグリーンバックを設置し、その箇所以外には設置しないようにすることで、全方向の背景に実写を合成する。
相性のいい産業分野
- 生活・文化
VR空間でも自身の立ち位置と構造物との距離を認識しやすいことから、高所作業現場で発生する落下事故を未然に防ぐ訓練に活用
- 医療・福祉
臨床実習生が手持ちのヘッドマウントディスプレイでVR空間プラットフォームにアクセス、自宅で手術手技をトレーニング
- アート・エンターテインメント
VR空間内に理想郷を作り上げ、インタラクティブに没入する体験
- 旅行・観光
よりリアルな臨場感を楽しめるバーチャル旅行
この知財の情報・出典
特許第6717486号
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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