No.275
2021.12.09
空気から飲料水を生み出す熱交換技術
GENius(ジーニアス)
概要
「GENius(ジーニアス)」は、空気中の水分から高品質な飲料水を作り出す熱交換技術。フィルターを通して浄化された空気中の水分を、凝縮させることで新鮮で清潔な飲料水を精製する。任意のサイズに調整可能であるため、今まで多かった家庭用ウォーターサーバー型AWG(Atmospheric Water Generator:空気から水を作ることができる装置)だけでなく、村や工場専用の大型AWGからドライバーに飲料水を提供する自動車用AWGまでさまざまなサイズ・用途のAWG製作に用いることができる。将来的には、ボトル容器や水道インフラを必要とせずにどこでも高品質な水を飲むことができる環境をつくる技術として、SDGsの観点からも注目を集めている。
実現事例 実現プロジェクト
Mobile Box(モバイルボックス)
「Mobile Box」とは、GENiusによって空気から飲み水を作り出す、持ち運び可能なウォータージェネレーター。重さはおよそ15kg、サイズは55x40x40cmと、クーラーボックスほどの大きさでありながら1日あたり最大20Lの飲料水を空気から生成することができる。従来、米国では水を入手しにくいキャンプ場が多く、飲料水は大量のペットボトルを持参して使うことが多かった。一方、Mobile Boxは車のトランクに積んでおけば、現地で簡単に飲料水を抽出することが可能。ペットボトルの利用を削減できるため、環境対策への貢献も期待される。
なぜできるのか?
任意のサイズに調整可能な構造
「GENius」は、スケーラブルでカスタマイズが容易な技術であり任意のサイズに構成できる。あらゆる生産規模に合わせて構成することで、自動車内用の取り付け型AWGといった今までにない製品を生み出すことを可能にしている。
有害な物質を発生させない親水性ポリマーコーティング
熱交換器の表面には、親水性ポリマーコーティングが施されており水を弾く仕様になっている。このコーティングによって、精製された水を汚すことがなく清潔な飲料水を生み出すことができる。
さまざまな場所で使用可能な生産効率性
「GENius」は、温度15~40℃、湿度25%以上の気候条件下であれば、わずか0.3kWhの電力量でおよそ1Lの飲料水を生産することができる。そのため、水不足に悩む地域から小さなオフィス内まで、さまざまな場所での使用が可能である。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © Watergen Ltd.