No.276

2021.02.24

匂いを可視化するセンサーデバイス

noseStick(ノーズスティック)

概要

noseStick(ノーズスティック)とは、スマホに挿すだけで匂いを計測できるデバイス。電圧をかけて共振している感応膜に匂い分子を付着させ、共振周波数の変化から数値データを取得、パターンを照合することにより匂いを識別している。noseStickにより、これまで視認できなかった匂いを分子の詳細情報という形で表現できるようになり、それをアプリを通して表示することで視覚的に捉えられるようになった。今後、様々な分野での匂いに関係した事業との連携が期待される。

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なぜ生まれたのか?

従来、食料品の品質・鮮度管理、工場等での危険臭気検知、呼気や体臭から疾患検知、ホテルや介護施設、自動車内の空間品質管理など、匂いをセンシングすることで解決できる課題は多数あったが、センサーとアプリケーションを組み合わせたサービスはこれまでなかった。そのため、匂いセンサーとAIを組み合わせてユーザーの課題を解決する「匂いセンシング事業」として、I-PEXが匂いセンサーを搭載したデバイスを提供、凸版印刷が匂いの課題に対応したAIの開発を担い、2019年より共同で推進している。

なぜできるのか?

「匂い分子のパターン」を認識・識別する匂いセンサー

匂いの粒子を吸着する感応膜を使用。感応膜は材質によって対応する匂いの種類が変わるため、異なる感応膜を塗布した検知素子を開発。複数の検知素子によって検出される「匂い分子のパターン」を認識・識別するセンサーを組み込んでいる。検知素子の数を増やすことでより多くの匂いを識別できる。

センサーとアプリケーションを組み合わせたサービス

センサーとアプリケーションを組み合わせたサービスはこれまでになく、将来的には匂いセンサーとAIを搭載したアプリケーション開発、データベース構築を組み合わせてユーザーの課題を解決する「匂いセンシング事業」を実施予定。

小型でポータブル性に優れた機器の開発

チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電薄膜を用いたMEMS(微小な電気機械システム)の活用により小型・低コスト化。

相性のいい産業分野

食品・飲料

生鮮食品の熟成度や鮮度、発酵食品の発酵具合を数値化

IT・通信

「ついつい入ってしまう美味しそうな匂い」を出している店に導いてくれる地図アプリケーション

アート・エンターテインメント

旅行・ライブ・イベントなど、その日の「思い出の匂い」を記録

医療・福祉

嗅覚障害がある人へ危険な匂いの通達

生活・文化

毎日の健康状態を自身の口臭をデータ化しチェック

AI

麻薬や爆弾などの危険物の匂いを察知して通達

流通・モビリティ

運転手からアルコールの匂いがした場合、運転できなくなる乗り物

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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