No.350
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2021.06.17
汎用性の高いサステナブルなバナナペーパー
亜紙
概要
亜紙とはバナナの仮茎(高く伸びた茎のような部分)から繊維を抽出した紙素材。全ての作業工程を手づくりで行うため、バナナの繊維を壊しすぎずに独自の質感と触り心地を残したまま紙を生成することができる。また、独自の加工をしており、従来の紙よりも耐久性と耐水性に優れ、さまざまなプロダクトへの汎用性が高い。バナナの成長は一般的な木と比べて早く、特別な手入れを必要とせず自ら株分けをして育つため、サステナブルで生産効率の高い新たな紙素材として期待されている。
なにがすごいのか?
バナナの仮茎から作られる新素材
一般的な紙と比べて優れた耐久性と耐水性
使用するごとに手に馴染んでいく革のようなエイジング
なぜ生まれたのか?
Kumae Banana Paper Productsがバナナペーパーによるカンボジアでの雇用事業を始める際に、特殊な新素材の紙だからこその市場の狭さや商品展開のハードルの高さが課題となった。そのため、誰もが日常品として使用できるプロダクトにバナナペーパーを活かせるよう耐水性・耐久性の研究を行い、新しい紙素材「亜紙」が生まれた。バナナペーパーはエコやサステナブルの領域では認知度が高まりつつあるが、市場自体はまだまだニッチである。認知と市場の拡大のため、誰もが第一印象で買いたい・使いたいと思える商品プロダクトに亜紙が活用されることを目指している。
実現事例 実現プロジェクト
Ashi(アシ)
バナナの木を独自の方法で加工した丈夫で水に強い紙素材「亜紙」から生まれたバナナペーパーブランド。「WALLET」「COIN CASE」「CARD CASE」がラインナップされており、WEBサイト等から購入可能。カンボジア郊外の工房にて全工程を手づくりで生産されており、現地の雇用にも貢献しながら自然素材の風合いを生かした独自のプロダクトが生み出されている。
なぜできるのか?
汎用性の高いエイジング素材
亜紙は手しごとでつくられる紙素材なため、シワやバナナ繊維の密度が同じものはひとつもない。使っていくうちに変化していく紙の柔らかさや手になじんでいく質感を楽しむことができ、耐久性も高くさまざまなプロダクトへの応用が可能だ。
化学薬品を使わない生産方法
環境に負荷がかからないサステナブルな生産を目指しているため化学薬品は一切使わない。バナナの繊維と混ぜる低融点ポリエステルの適切な配合の調整や、土を汚す染色を避けTシャツ等に使用される昇華プリントを応用し着色するなど、環境の優しい独自の加工方法を研究している。
カンボジアの村の雇用創出
亜紙の開発を行うKumae Banana Paper Productsは2013年8月から、カンボジア王国シェムリアップ州郊外のゴミ山がある地域で活動を開始。「ゴミ山で働かなくて良いシステム」をつくることを目指し、村人たちの雇用創出と生活水準の向上のため現地に自生するバナナの木を活かしたバナナペーパー事業を手がける。さらに授業料無料の日本語学校の運営も現地で行なっている。