No.369
2021.07.14
足元から伝える歩行ナビゲーションシステム
あしらせ
概要
「あしらせ」とは、靴に装着する振動デバイスとスマートフォンアプリによって、視覚障がい者の単独歩行を足元から支援するナビゲーションシステム。聴覚を頼りに周囲の安全やルートの確認を行う視覚障がい者にとって、聴覚を邪魔してしまう従来の音声ナビゲーションは不安や危険を伴うものだった。一方、あしらせは足への振動によって情報を伝えるため、歩行者の聴覚を妨げることがない。視覚・聴覚に頼らないナビゲーションシステムは、視覚障がい者だけでなく多くの人の歩く楽しみを拡張させるものになるだろう。
なぜできるのか?
直感的に理解可能な振動によるナビゲーション
あしらせは、足元の振動部位とテンポの変化によって直感的に理解できるようなナビゲーションを行う。そのため、ユーザーは白杖を持つ手の感覚や聴覚に集中しながら安全に十分配慮して歩くことができる。
視覚障がい者向けのナビゲーション情報
振動デバイスと連動したスマートフォンアプリは、GPSと足元の動作情報を組み合わせて視覚障がい者向けのナビゲーション情報を生成する。そうすることで、方角ではなく自分の向いている方向に対してどの角度へ進めば良いかなど、画面を見なくても理解できるような情報で案内を行う。
暮らしに溶け込むデザイン
デバイス本体は、靴の形をほとんど選ばず簡単に取り付けが可能。柔らかく形状を保つ素材でできているため装着しても履き心地に違和感がない。また、付けたまま靴の着脱ができ、2時間の充電で1週間程度維持できるため、生活スタイルを崩さずに使用できる。一般販売は2022年度中を予定。
相性のいい産業分野
- 生活・文化
地図閲覧による歩きスマホを防ぐナビゲーションシステムへの応用
- 旅行・観光
景色を楽しみながら歩きたい観光客をサポートするレンタルシューズ
- メディア・コミュニケーション
待ち合わせ場所を決めなくても相手のもとまで誘導して遭遇させてくれるサービス
- アート・エンターテインメント
近くにいる話し相手が欲しい人同士をランダムで出逢わせてくれるマッチングサービス
- 医療・福祉
認知症患者向けの帰宅サポートシューズ
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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