No.374
2021.07.16
リアルタイムに犬の気持ちを読み取るデバイス
INUPATHY(イヌパシー)
概要
「INUPATHY(イヌパシー)」とは、心拍の情報から犬の状態を可視化するデバイスである。ハーネス型のデバイスで、背中部分の色と光り方が犬の感情をリアルタイムで教えてくれる。ベルト部分に心拍センサーが設置されており、そこで検出された信号が、リアルタイムで反映される仕組み。これまではなかなか理解が難しかったペットの喜びやストレスを可視化することで、飼い主との間に深い理解と愛情をもたらすことが期待される。
なぜ生まれたのか?
イヌパシーを作るきっかけとなったのは、「私たちはどこまで、犬を行動から理解できているんだろう」という制作者チームの疑問であった。一般的な犬の行動と個人の飼い犬の行動にはギャップがあることも多く、人間が犬の行動を正確に理解するのは難しい。そこで見た目の行動とは別の、もう一つの信頼できる尺度として、イヌパシーでは犬の心拍の解析を用いることとなった。
なぜできるのか?
心臓の音のみに反応するマイク
イヌパシーは高度なノイズキャンセリング技術を応用し、空気中の雑音や筋肉の音などを除去して心臓の音にのみ反応するマイクシステムを開発。従来のような、犬の心拍を測るための剃毛やジェルを塗るといった、愛犬にとって負担の大きい処置を必要としない。
リアルタイムな解析アルゴリズム
犬の心拍データから、独自の心拍変動解析手法を開発。心拍の変動の傾向を図形化して特徴量を数値化し、過去データと比較することで、心拍と感情を関連付けたリアルタイムな解析を実現することに成功。
アプリと連携したデータの管理
健康に関わる日々のデータをアプリで蓄積。グラフを通して日々の変化がわかる機能なども搭載されている。
簡単に装着できる仕様
獣医師の監修を受け、イヌパシーは80gという軽量かつ装着しやすいハーネス型で製品を設計。電源ボタンを押すだけで使用できるうえ、デバイスはハーネス部分から取り外せるようになっており、犬種や犬の成長に合わせてハーネスサイズを変更できる。
相性のいい産業分野
- 製造業・メーカー
ペット向け商品が実際ペットにどのように受け取られているかのテスト
- アート・エンターテインメント
動物の気分に合わせて遊ぶ場所を選べるテーマパーク
- 旅行・観光
ペットと一緒に楽しめる観光スポットであることを示すための認定基準
- 食品・飲料
ペットそれぞれの感情をセンシングしパーソナライズされたペットフード
- メディア・コミュニケーション
競馬や乗馬に応用し、騎手や観客に馬の健康状態が伝わるように可視化
- 医療・福祉
コミュニケーションが難しい患者の感情を知るための手段
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image :© Langualess inc.
特開2021-090425:心拍信号抽出回路及び動物感情推定装置 ほか