No.376
2021.07.21
ミツバチに代わるロボットを活用した授粉・収穫技術
果物の完全自動栽培システム by HarvestX
概要
「果物の完全自動栽培システム by HarvestX」とは、ロボットを活用して授粉から収穫まで栽培の完全自動化を可能とする技術。現在、果物類はそのほとんどがミツバチによる虫媒授粉に依存しているが、虫媒授粉は収穫が安定せず飼育管理にコストを要する。本技術では、ミツバチの役割も担うロボットを導入することで、収穫の安定化やコスト削減に役立つだけでなく、食料問題や農業の人口不足などの課題も解決することができる。このシステムの研究開発施設「HarvestX Lab」も開設され、果菜類の完全自動栽培の実現に向けた研究が進められている。
なぜできるのか?
デプスカメラと画像処理アルゴリズムを活用した自動授粉・収穫
「果物の完全自動栽培システム by HarvestX」では、ミツバチに代わる自動授粉および収穫実証試験機「XV1」を活用している。奥行きの画像情報が取得できる深度センサーを内蔵したデプスカメラと画像処理アルゴリズムを用いて、花と果実の認識を行い、専用アタッチメントで授粉と収穫を行うことができる。さらに、自走台車によって広い農園内における農作業の負担軽減も可能となる。
専用の研究開発施設「HarvestX Lab」
2021年6月には、ロボットシステムの検証・評価項目の追加や、試験サイクルの加速を目的に、研究開発施設「HarvestX Lab」が開設。植物工場事業会社と同等の栽培設備を使用することで、開発環境と運用環境の差分を減らし、環境にも左右されず一年を通じて試験が可能。製品の機能や品質向上につながることが期待されている。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image :©HarvestX株式会社