No.378

2021.07.26

音声だけでプレイするオーディオゲームの開発プロジェクト

Audio Game Center(オーディオゲームセンター)

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概要

Audio Game Center(オーディオゲームセンター)とは、映像情報を必要とせずに音だけで遊べる「オーディオゲーム」を開発するプロジェクト。Audio Game Centerによって開発されたオーディオゲームは、ゲーム開始前のチュートリアルも含めて音声のみで構成されており、音から得た刺激によって想像力や錯覚を引き出してプレイする。Audio Game Centerはゲームの開発だけでなく、コンピューターエンタテイメントの総合展示会への出展や、リアルな場でのイベントの開催など、オーディオゲームで楽しめる場も提供しており、音がつくる体験の可能性を広げている。

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実現事例 実現プロジェクト

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AUDIO GAME CENTER +

「AUDIO GAME CENTER +」とは、Ginza Sony Parkに2021年6月〜7月の期間限定で開設されたオーディオゲーム専用のゲームセンター。Audio Game Centerが新しいゲームを開発するハッカソン「Prototyping Party」にて外部クリエイターたちと制作した新作オーディオゲームが展示された。会場では、ソニーの360立体音響技術群を活用したストーリーテリング・ホラーゲーム「幽霊のいるところ」や、ガイドメロディを頼りにレーシングカーを走らせる「大爆走!オーディオレーシング」、音に合わせて板を叩く「スクリーミング・ストライクneo」の3つのゲームをプレイすることができ、音の持つ可能性に触れられる空間となった。

なぜできるのか?

全盲のプログラマーによる映像情報を必要としないゲーム

Audio Game Centerは、全盲のオーディオゲームクリエイター・野澤幸男氏の開発したオーディオゲームを共有することを目的としたプロジェクト。野澤氏によって制作されたゲームは、音声情報から方向を聞き分けて敵を倒す「Screaming Strike(スクリーミング・ストライク)」や、蚊の音が聞こえる方向に向かってスプレーを噴射する「モスキートが来る(モスクル)」など、音声からの情報のみで知覚や空間についての認識をもたらすことができる。映像情報が欠かせないビデオゲームとは異なり、画面を必要としないため、視覚障がいのある人もプレイすることが可能となる。

視覚障がいを持つ人の視点を認識するツール

Audio Game Centerによって開発されるゲームは、障がいのある人の視点に立つためのツールでもある。視覚障がいの有無が影響しないオーディオゲームによって、健常者が普段視覚情報に頼りながら生活をしていることに気づき、障がいのある人の感覚を見直すことが期待できる。

音の可能性を探る活動

Audio Game Centerは、オンライン配信やPodcastなど、音が作り出す体験の可能性を探る活動を行っている。Ginza Sony Parkに期間限定で開設されたオーディオゲーム専用のゲームセンター「AUDIO GAME CENTER +」もその活動のひとつ。マイノリティの視点を社会に浸透させるため、一般に開かれた様々なメディアや場を用いて、これまで見過ごされてきた障がいを持つ人の視点を体感できる場を提供している。

相性のいい産業分野

アート・エンターテインメント

視覚障がいを持つ人も一緒に遊べる、視覚に頼らないゲーム

スポーツ

音声情報をもとにプレイするeスポーツ

教育・人材

視覚障がいのある児童と障がいのない児童が共にゲームを楽しむインクルーシブ教育

旅行・観光

地域活性化策として、録音した町の音を頼りに地域の歴史を学びながらプレイする「リアル音声脱出ゲーム」

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。

Top Image :©Audio Game Center