No.379

2021.07.27

室温で自己修復するガラス素材

割れてもなおるガラス

自己修復ガラス

概要

「割れてもなおるガラス」とは、割れても簡単に自己修復し、再利用が可能なガラス素材。割れた面同士を、室温環境で数時間押し付けるだけで割れた部分が接着し、強度も割れる前と同等の状態まで回復する。従来、破損したガラス素材は加熱・溶融しないかぎり再利用ができず、エネルギーコストの面からそのまま廃棄されることが多かった。自己修復ガラスは、ガラス素材の再利用を促進させ、持続可能な社会に貢献する素材の一つとなることが期待されている。

Science Magazine

なぜできるのか?

自己修復性をもつ高分子素材「ポリエーテルチオ尿素」

自己修復ガラスは、「ポリエーテルチオ尿素」と呼ばれる高分子鎖(多数の原子が鎖状に繋がってできる大きな分子の形)でできている。本来、高分子素材は硬く簡単には修復できない性質を持つ。しかし、ポリエーテルチオ尿素は自己修復性を持っており、割れた面同士を押し付けるだけで簡単に接着が可能。

室温で修復可能

自己修復ガラスは、加熱・溶融をしなくても室温で修復可能。そのため、場所や設備が整っていなくても簡単に破損部分を直したり、リサイクルすることができる。

相性のいい産業分野

製造業・メーカー

割れてもその場で直すことができる実験器具やガラス食器

資源・マテリアル

割れたガラスを再利用するための資源回収ボックスの設置

住宅・不動産・建築

複数のガラス板から継ぎ目のない巨大ガラスを作成

アート・エンターテインメント

割れたガラスを自由につなぎ合わせてガラスアート制作

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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