No.396
2021.08.16
指先の汗で発電する絆創膏型のウェアラブルデバイス
受動発汗バイオ燃料電池
概要
受動発汗バイオ燃料電池とは、指先の汗を利用して発電できる絆創膏型のウェアラブルデバイス。指先に貼り付けるだけで、汗を吸収し化学反応によって電気エネルギーを生み出すことができる。従来、こうしたウェアラブルな発電デバイスは、少量のエネルギー生成においてもランニングなどの激しい動きや多量の汗を必要とするものが多かった。一方、受動発汗バイオ燃料電池は汗腺の多い指先を利用し、効率的なエネルギー収集技術によって、睡眠時も含め特別な運動をせずとも一定の電気エネルギーを生成できる。将来的には、ウェアラブル電子機器と組み合わることでさまざまな領域での実用化が期待されている。
なぜできるのか?
汗を吸収することで発電
受動発汗バイオ燃料電池内部には、炭素発泡体と呼ばれる物質が組み込まれている。これが汗を吸収し、酵素の力を借りながら汗に含まれる物質の一つである乳酸塩と酸素分子を化学反応させることで、効率的に発電する。生成した電気エネルギーは小さなコンデンサに蓄えられ、必要に応じて利用できる。
もっとも汗腺の多い指先を利用
指先は汗腺が多く、ほかの部位に比べて100倍から1000倍も汗をかくところである。そのため、運動量の少ない夜間であっても効率的に汗を吸収し、エネルギーを発生させることができる。
指先の圧力でも発電可能
デバイスには、圧力で発電する性質を持つ物質も組み込まれており、スマホをタップしたりピアノを弾いたりといった、指先を使った動作自体もエネルギー源になる。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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