No.414
2021.09.13
屋外でも使えるダンボール製の組立式テント
DAN DAN DOME(ダンダンドーム)
概要
「DAN DAN DOME(ダンダンドーム)」とは、軽量で耐久性に優れたダンボール製の組立式テントである。組立から廃棄まで工具類や専門技能が不要で、人力による作業で完了できるように設計されている。SDGsや環境負荷の少ない資源への代替という社会課題を背景に、どこの国でも馴染みがあり、様々な捨て方・再資源化の選択が可能なダンボールを主構造体に採用した。DAN DAN DOME事業の今後の進展により、テントや居住空間の再生可能資源への代替が起きていくことが期待される。
なぜ生まれたのか?
DAN DAN DOMEは、社会課題に向き合う東洋製罐グループの「OPEN UP! PROJECT」で環境課題への対応を検討する中で、組立式テントを手掛ける村上祐資氏と出会ったことから始まった。村上氏は以前から極地や被災地を訪問し、プラスチックダンボール製のテントを用いて居住空間・プライベート空間の提供や、コミュニケーション活性化に取組んでいた。しかし村上氏は、現地へ重たいプラスチックダンボール製の材料を運ぶ難しさと、環境負荷のあるプラスチックを活用していることへ課題を感じていた。そこで日本トーカンパッケージのダンボール加工・製造技術と、村上氏の知見・経験をかけ合わせ、限られた資源の代替となりうるダンボールの新たな可能性を探る、DAN DAN DOME開発プロジェクトが開始された。
なぜできるのか?
誰でも直感的に作れる設計
基本動作は「おる・つなぐ・むすぶ・はる」の4つとし、言葉や映像などによる詳しい解説が無くても、誰もが組立から設置まで理解・実行できるように設計。地域・言語・立場・世代に関わらない、人の潜在的な空間把握能力や、認知・学びのプロセス、誰もができる手指操作を用いて組立てることを想定している。またDAN DAN DOMEは資源循環を考慮してデザイン・設計されており、組立てて使うことに加え、壊して分別し捨てることも容易な作りとなっている。
プッシュ式のロック機構
DAN DAN DOMEの組立てには、ダンボールを押し込み・折り曲げて接合するロック機構を採用。ロック機構により、ネジや釘が一切必要なく、腕力や専門知識がなくても直感的な作業を可能にしている。押し込むだけで通販配達用の箱が作れる日本トーカンパッケージの梱包技術から着想を得て、DAN DAN DOMEの組立機構へ取り入れた。
耐水性を高める独自の加工技術
耐水性の高いダンボールとするため、独自のラミネート(複数の材料を貼り合わせて積層させる)技術を活用。紙コップなどで使われている耐水機能を持った薄い樹脂をダンボールにラミネートし、高温多湿環境下や水分の多い場所で使う際の耐水性を高めている。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : 東洋製罐グループホールディングス株式会社