No.415
2021.09.14
親子のコミュニケーションを生む国産おやつシリーズ
オノマトペのおやつたち
概要
「オノマトペのおやつたち」とは、食感を表す擬音語(オノマトペ)をテーマにしたデザインと商品名を持つ、日本各地の良質な素材を使った菓子シリーズ。擬音語、擬態語などを表す“オノマトペ”は日本語に多く見られる表現で、子どもが初めて声に出す言葉でもある。そのような小さな子どもにも親しみやすいオノマトペと菓子を組み合わせることで、おやつの時間を媒介とした親子間のコミュニケーションを生み出すことを目指す。将来的には食育やデザイン教育、商品開発を軸にした各地の生産者支援まで領域を広げることを見据えている。
なぜ生まれたのか?
プロジェクトの発案者は二児の母であり、日々の食事に比べておやつの時間が軽視されているのではないかと感じていた。おやつは本来楽しい時間なのにも関わらず、市販の着色料等を多用した味の濃いおやつをためらないながら与えたり、静かにさせる“道具”のような感覚でおやつを与えたりという状況に疑問を感じ、そうした罪悪感のない(ギルティフリーな)おやつとして、オノマトペのおやつたちの開発に至った。コミュニケーションを生む仕掛けとしてのオノマトペの商品名は、実際に子供たちが考えたものでもある。
なぜできるのか?
オノマトペが生み出すコミュニケーション
オノマトペのおやつたちのコンセプトは、「おやつの時間を最高のコミュニケーションに」。商品にはそれぞれの食感や音がオノマトペで表現された名前が付いており、それらを意識しながら食べることで、食品に能動的に触れる機会を作ることができる。また、公式サイトでは各商品のキャラクターがオノマトペを喋る仕掛けが施され、オノマトペ表現を通じて親子のコミュニケーションを促している。
日本各地の生産者との連携
オノマトペのおやつたちは、国産原料がメインの子どものおやつに適した安心・安全な素材でありながら、大人が食べても満足できる味になるよう、各地の生産者とともに商品開発を行なっている。現在販売されているのは、創業寛文3年の老舗水飴店・島川とともに作った豆菓子「コルコル」、茨城県の有名店・幸田商店とコラボした干し芋かりんとう「カリポリ」、石川県白山市の無農薬・減農薬のお米や加工品を扱う稲ほ舎とコラボした玄米のおかき「サクザク」、屋久島産のたんかんとパッションフルーツを使ったゼリー「シャリプニ」、富山県・南砺市のドライフルーツを使った「フニムニ」。それぞれの生産者にとっては、伝統菓子のリブランディングや若い世代への訴求といった課題解決の一助となっている。
食育やデザイン教育に向けた活動
オノマトペのおやつたちでは商品の販売だけでなく、学童保育や幼稚園、医療系団体と連携したワークショップも行なっている。五感を使ってお菓子を食べ、そのイメージをイラストにしてパッケージデザインをするなど、食育とデザインの要素を掛け合わせた内容で、“おやつの時間”の可能性を多方面から探っている。
相性のいい産業分野
- 食品・飲料
音や食感を楽しみながら子どもも安心して食べられるおやつ
- 製造業・メーカー
特産品や名店など歴史ある商品のリブランディング
- 教育・人材
オノマトペ表現によって語彙教育を行う、保育園のおやつ時間
- 環境・エネルギー
素材の廃棄部分を使って新たな食感の商品を作り出す、食品ロス削減おやつ
- アート・エンターテインメント
自分の考えたオノマトペのデザインが商品化されるプラットフォーム
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。
Top Image : © オノマトペのおやつたち