No.419
2021.09.20
義足をうまく制御できる、磁気ベースの新技術
Magnetomicrometry-Based Control
概要
「Magnetomicrometry-Based Control」とは、義足をより正確に制御できる磁気ベースの技術。切断した箇所の筋肉組織に小さな磁気ビーズを挿入することで、身体に負担を与えることなく収縮する筋肉の長さを正確に測ることができ、そのフィードバックをミリ秒単位という速さでバイオニック(生体工学)義足に伝達できるようになる。筋肉から発生する微弱な電流を活用する従来の方法と比べ、Magnetomicrometry-Based Controlは義足の細かなコントロールが可能となり、義足歩行者の生活の質を向上することが期待されている。
なぜできるのか?
筋肉の長さや速さを測定するペア磁石
これまでの筋電を測定する方法では、筋肉の電気的活動に関する情報のみを提供するため、脳が筋肉に何をするように指示しているのかはわかるが、筋肉が実際に何をしているのかはわからず、筋肉の長さや速さといった情報は測定されなかった。しかし、Magnetomicrometry-Based Controlはペアになった磁石を筋肉に挿入することで、磁石同士の動きが測定できるようになり、筋肉の長さや速度の計算が可能となった。
幻肢が空間のどの位置にあるかを予測
Magnetomicrometry-Based Controlは、義足をより制御するために、測定した値をコンピューターモデルに入力することで使用者の幻肢(切断されて存在しない部分の四肢)が空間のどの位置にあるかを予測。使用者が望むように義足を動かすように指示し、思い描いている手足の位置のイメージと一致させることが可能となる。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
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Top Image : ©mit media lab