No.427
2021.09.28
会話と同時進行で字幕を表示するシステム
聴覚障がい者用のARグラス by LLVision Technology
概要
「聴覚障がい者用のARグラス by LLVision Technology」は、会話の際に音声をリアルタイムで文章化する、聴覚障がい者向けのAR(拡張現実)グラス。これまで聴覚障がい者が会話を行う際には、手話や指文字、読話、筆談などの方法をとる必要があったが、会話の内容を読み取りづらい場合があるだけでなく、コロナ禍でマスクの着用やテレワークが普及したことから、聴覚障がい者の日常的なコミュニケーションにおける課題は深刻さを増している。「聴覚障がい者用のARグラス by LLVision Technologyは、着用したARグラスのディスプレイにテキストが表示されるため、これまでの方法と比較してスムーズな会話が可能となる。
なぜできるのか?
神経言語プログラミングによる高精度なテキスト変換
「聴覚障がい者用のARグラス by LLVision Technology」は、AIの応用分野である神経言語プログラミング(NLP)の進化によって音声から語義を認識し、精度の高い自動翻訳を実現した。また、エッジ処理を行うAIチップや5G通信、クラウド処理の技術によって、リアルタイムで双方向にデータ通信を行うことも可能に。方向や距離の異なる複数人との会話でもテキストの表示はスムーズに行われ、音声がテキストに変換されるまでは3〜5文字分の遅れにとどまる。さらに、同音異義語は文章の前後関係から即時修正される。これらの技術によって、これまで聴覚障がい者が行ってきた手話や読話、筆談等と比較して、情報を瞬時に正確に伝達することができる。
日常的に使用可能な着用感
本知財は、電波を伝送するために用いられるウェーブガイド(導波管)やディスプレイの軽量化に成功したことで、長時間の装着も可能となっている。視野角(FOV)や透光性は良好で、表示される文字も明瞭。大きさも一般的なメガネと大差ないため、違和感なく着用することができる。日常的にあらゆる場面で活用できるため、聴覚障がい者が抱えていた生活上の問題を解決することが期待される。
相性のいい産業分野
- メディア・コミュニケーション
聴覚障がい者のコミュニケーション支援やQOL向上
- 教育・人材
コロナ禍におけるろう学校のオンライン授業の支援ツール
- 生活・文化
聴覚障がいを持つ人も安心して働ける職場環境の整備
- 医療・福祉
災害時における、聴覚障がい者がサイレンや放送を把握するためのツール
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : ©️亮亮視野科技(LLVision Technology)