No.434

2021.10.01

下半身の動きをVRで表現できるデバイス

HaritoraX

Haritora

概要

「HaritoraX」とは、腰や下肢など下半身の動きを追跡し、VR(仮想現実)のアバターで動きを表現できるモーショントラッキングデバイス。胸部と下肢にデバイスを装着して動きを検出するため、外部センサが不要で、下半身の動きをほぼ同時にVR映像へ反映する。一般的なVR装置はゴーグルと両手のコントローラーで操作を行うため、下肢の動きやお辞儀などの表現ができないのに対し、HaritoraXはVRゴーグル・コントローラーと組合せて使うことで、下半身を含め、全身の動きをVRで表現できる。HaritoraXはVRゲーム・イベントを始めとしたエンタメはもとより、医療、教育などでの活用も想定され、日常生活でのVR活用の可能性を拡げると期待される。

Haritora1

なぜできるのか?

死角のないトラッキング方式

HaritoraXのトラッキング(動きの検出・追跡)には、3次元で移動・回転・方角などの検知が可能な9軸IMU(Inertial Measeurement Unit:慣性計測装置)を採用。身体に装着したデバイスの9軸IMUのセンサが、上下左右の移動や傾き、回転など、動きそのものを検知するため、どんな姿勢でもトラッキングを継続できる。カメラなどの外部センサを用いた従来技術では、身体の重なりや障害物などでカメラの死角ができるとトラッキングが停止することがあったが、それを解消している。

デバイスを固定し着脱できる専用スーツ

デバイスを身体に固定し、かつ着脱可能にするため、HaritoraX専用スーツを開発。専用スーツは、デバイスやケーブルをセットした布製のベルトを、みぞおち・膝上・膝下と3カ所に装着して固定する。下肢の固定位置は、使用スタイルに合わせて選ぶことができ、正座やあぐらも可能な脚部横と、寝転がる際などに抵抗が少ない脚部前がある。スーツのサイズは女性のSSサイズ~男性のXL2サイズ相当まであり、個々の動きの大きさに応じストラップで微調整もできる。また、パンツスタイルであれば、和式・洋式を問わずスーツを装着したまま座って用を足せるように設計している。

精度調整が可能な姿勢推定アプリ

ユーザの動きとほぼ同時にVR映像へ動きを反映するため、精度調整ができる独自の姿勢推定アプリ「Haritora Configurator」を提供。このアプリによりHaritoraXのキャリブレーション(IMU方式のトラッキングデバイスに必要な、正しい方位・方向を機器に再設定・調整する操作)が可能になり、高精度なトラッキング・姿勢推定を実現する。

相性のいい産業分野

アート・エンターテインメント

全身の動きでプレイするVRゲームやイベントでの活用

生活・文化

VR空間で表現するダンス・パントマイムなどのパフォーマンス

医療・福祉

運動機能の計測や分析に活用しリハビリや在宅医療をサポート

教育・人材

VR空間で受講・コミュニケーション可能なバーチャル学校

航空・宇宙

VRの宇宙空間による宇宙飛行訓練・シミュレーション

ロボティクス

検知した人の動きをデータベース化しロボット開発へ活用

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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