No.465
2021.10.27
高精細・低消費電力の大画面電子ペーパーサイネージ
EPS(Electric Paper Signage)
概要
「EPS(Electric Paper Signage)」とは、HDMI端子を搭載した紙と同様のコントラストを持つ大画面の電子ペーパーサイネージ。電力消費が少なく、180度の視野角を持ち、太陽光下でも表示内容が見やすい電子ペーパーサイネージで、HDMIやLAN接続などで情報を表示する。大画面電子ペーパーサイネージでは珍しくHDMI端子を搭載しているため、液晶ディスプレイなどで使用している既存サイネージのシステムをそのまま流用できる。低消費電力でありスタンドアローン動作となっているため、交通期間の案内表示、店舗の空間演出やアート表現など、さまざまな場所での活用が期待される。
なぜできるのか?
外部接続性・利便性を考慮した設計
EPSには、映像・音声・制御信号をケーブルで送信する、汎用性の高い通信規格の「HDMI(High-Definition Multimedia Interface:高精細度マルチメディアインターフェース)」端子を実装。無線LANによる接続も可能で、液晶ディスプレイなどと同様にインターネット接続で使うことができる。さらに、EPSにはサイネージ用アプリが事前インストールされており、SDカードやUSBメモリを差し込んで使うことも可能。その際はインターネット接続などが不要で、SDカードなどの保存画像を用いて、情報表示やスライドショー再生ができる。
設置場所の選択肢を拡げる省電力機能
電子ペーパーサイネージは液晶パネルと異なり、ディスプレイを照らすバックライトが不要なため、電力消費が少なくて済む。また、停電などで電力供給が止まった場合でも画面表示が消えないため、緊急情報の伝達手段として活用できる。さらにEPSでは、ソーラー発電で電力を確保したり、市販のモバイルバッテリーを活用した運用が可能。それにより、バス停など電力が確保しづらい屋外や、ケーブルの配置が難しいイベント会場での使用も容易にしている。
動きを持たせた再生モード
EPSは、「部分書き換えモード」と「高速書き換えモード」により、動きのある画面表示が可能。部分書き換えモードでは、1枚の背景画をベースに、時間の経過に合わせ部分的に画像を書き換えて表示する。従来型の電子ペーパーサイネージは、表示更新の際に画面全体が点滅して切り替わることが多いが、EPSでは自然な画面変化を可能にしている。それにより、例えば漫画画像を表示する際に、徐々にセリフやコマ割りを増やすなどの表現ができる。高速書き換えモードは、0.1秒単位で表示の書き換えが可能。パラパラ漫画などのようなイメージで動画を再生できる。
表示コンテンツのイメージを妨げないサイネージ
EPSのサイネージは、ベゼル(額縁部)を約8~9mm(サイネージサイズ32インチが約8mm/42インチが約9mm)と細く目立たないように設計。表示コンテンツのイメージを損なわないよう考慮しており、EPSを複数台並べて全体で大きな作品を展示することもできる。また、バックライトが無くパネル自体が発光しないため、落ち着いた雰囲気を持つ展示などと調和する。
相性のいい産業分野
- 流通・モビリティ
視認性を活かした、商業施設における案内表示や看板、メニューなどでの活用
- メディア・コミュニケーション
電力供給がなくても表示できる特性を活かした災害時の情報伝達
- 官公庁・自治体
日常・非常時を問わず市民に情報を伝える屋内外のサイネージ掲示板
- アート・エンターテインメント
デジタルアートの表現ツールや服飾素材としての活用
- 医療・福祉
停電など電力供給停止時でも表示可能な医療関連情報・画像の表示機器
- 農業・林業・水産業
太陽の下でも使える、天候や生育データなど収穫関連情報の表示機器
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © 株式会社 クレア