No.477
2021.11.03
路面状況に応じて形を変える、折り紙構造のタイヤ
High–load capacity origami transformable wheel
概要
「High–load capacity origami transformable wheel」とは、折り紙の構造に着想を得た、走行中にサイズや形状を変えることができるタイヤ。高速走行モードと、起伏の激しい路面の走行モードの2つに変形させることが可能。紙を複雑な折り目で幾何学的な立体にする“折り紙”の構造を採用することで、最小限のエネルギーでそれぞれの形状を維持するほか、折り目部分が衝撃を吸収するクッションの役割を果たす。1種類のタイヤでさまざまな路面状況に対応できるため、輸送ロボットや惑星探査車など、高い機動力を必要とする分野での利用が期待される。
なぜできるのか?
折り紙の構造を応用
高速で走る形状と、舗装されていない起伏の激しい路面を走行できる形状の2つに変形できる。「Water bomb Tessellation」という、複雑な折り目で幾何学的構造になるパターンを採用することで、走行しながら最小限のエネルギーで2つの異なる形状に変形が可能。また、積載量や変形率などを考慮してパターンを最適化し設計した。
異素材の組み合わせによる性能向上
タイヤは厚みのある柔らかい複合メンブレン(膜)をメインとし、形状と強度を保つためにアルミニウム合金のプレートで挟んでいる。これによりゴム素材を使用せずとも、変形時でも1トン近くの耐荷重性能がある。また、さらに、タイヤの摩擦力と衝撃吸収性能を上げるため、ウレタン製のトレッドパッド(地面と接触する部分の衝撃を緩めるための物)を備えている。
高い制作効率
折り紙式なので制作効率が高く、4時間以内で組み立てが可能。設計、製造、組み立てを簡素化できる。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © Science Robotics