No.483

2021.11.29

泥中の微生物で発電し環境浄化も促す電池

泥の電池 by 佐賀大学/ニシム電子工業

DR

概要

「泥の電池 by 佐賀大学/ニシム電子工業」とは、泥の中に生息する微生物の働きを活用して電気を発電する微生物燃料電池。水田や畑の泥中に装置を設置し、微生物が有機物を分解する際に発する電子を利用して発電する。発電と同時に微生物の代謝が高まるため、泥中の環境浄化にも寄与する。これまで難しいとされてきた微生物燃料電池の実用化を目指しており、事前の環境構築や大規模装置が不要で、現場の環境を活用して発電できるシンプルな装置を開発した。泥の電池が実用化されれば、農林水産業の分野でのデータ測定・IoT活用や栽培の自動化促進、宇宙環境での農作物栽培など、様々な活用が期待される。

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なぜできるのか?

泥を活用した独自電池の開発

微生物が有機物を分解する際の電子を、有機物に浸したアノード電極(電子が流れ込むマイナス電極)で回収し、外部回路からカソード電極(プラス極)に移動する際に発電する微生物燃料電池を開発。アノード電極の層は、酸素を含まない嫌気的な環境構築が必要だが、従来技術ではガスの排除や特定有機物・菌の利用などで環境構築を行うため、コストがかさむ状況があった。泥の電池は、泥中ではほとんど酸素がないことに着目し、泥に装置を埋めることで嫌気的環境を構築。自然の力を活かし、低コストで簡単に利用できる微生物燃料電池を開発した。

微生物を特定しない発電手法

発電を行う微生物は特定せず、現地の泥に生息する微生物を活用。人工的な環境構築をせず、現地の微生物が生み出せる範囲の電力を取り出すことをコンセプトとし、環境負荷の少ない微生物燃料電池を開発した。有明海やインドネシアの干潟泥、インドネシアの火山性泥、日本の水田や畑の泥などで実証実験を行い、各地で発電効果を確認している。

相性のいい産業分野

製造業・メーカー

農具や電気トラクター、測定器・センサーなどの電源として活用

農業・林業・水産業

水産養殖場の海底で魚の育成や健康状態を検知するセンサーへ電源供給

環境・エネルギー

汚泥環境を浄化しながら蓄電する環境に優しい電池の開発

ロボティクス

農作物などの栽培補助や見回りを行い自動で充電場所に戻るロボットの開発

航空・宇宙

宇宙の土壌で農作物の生育状況を検知し、地球から水やりなどを遠隔操作できるデバイスの開発

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © 国立大学法人 佐賀大学 理工学部化学部門 冨永研究室

・特許第6547998号

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