No.484

2021.11.08

街路樹の大気汚染物質除去量を可視化するデータベース

New York City Street Tree Map

New York City Street Tree Map

概要

「New York City Street Tree Map」とは、ニューヨーク市に植えられているNYCパーク管轄の全ての街路樹の総数、樹種、幹の直径、大気汚染物質除去量などを正確に表示する、インタラクティブなデータベースである。ユーザーはマップから任意の位置を選び、エリア総数もしくは樹木1本1本の個別単位で各数値を確認できる。エリア単位の確認では、街路樹総数やエリアに多い樹種、二酸化炭素削減量の年間総量などが確認でき、樹木1本1本の確認では、樹種や幹のサイズ、大気汚染物質除去量などを個別に確認できる。ニューヨーク市全域をカバーしており、その総数は692,892本の街路樹がマッピングされている(2020年4月時点)。2015年からボランティアによってデータ収集され、林業チームによりデータは毎日更新されている。ユーザーはお気に入りの樹木をブックマークし生態活動の追跡も可能。また、保護活動のアクティビティに参加して、データベースに活動記録を共有することも可能となっており、樹木のもたらす二酸化炭素削減に対する意識の向上や森林保護活動、植樹活動推進への貢献が期待される。

New York City Street Tree Map

New York City Street Tree Map

なぜできるのか?

街路樹データを可視化した視認性の高いUIデータベース

ニューヨーク市のNYCパーク管轄の全ての街路樹にIDが割り当てられ、樹種や樹木の直径サイズ、二酸化炭素削減量などのデータが計測されデータベース化されている(私有地、セントラルパーク内、NYCパーク管轄外の樹木を除く)。エリア別の樹木の総数や、エリアに多い樹種、エリアごとの大気汚染物質除去量なども確認できるほか、樹種や樹木の直径サイズでフィルタリングすることも可能。マップ上で街路樹を表す緑の円の色やサイズは実際の樹木の種類やサイズの分類を表しており、円のサイズは実際の樹木の直径サイズに相対的なサイズで表した、視認性と機能性の高いUIとなっている。

個々の樹木の生態学的利益データを統計

街路樹のデータは1本1本個別でもエリア総数でも確認することができ、樹種や幹のサイズの他、樹木が遮断した雨水量、年間のエネルギー消費量、年間の大気汚染物質除去量、年間の二酸化炭素削減量など、生態学的なデータが計測され掲載されている。1本1本の樹木がどれだけ空気汚染を軽減し、水害を防止し、CO2を減らし、エネルギーを節約したかが表示される。

街路樹をブックマークし追跡や保護活動が可能

個々の樹木データはブックマークすることができ、お気に入りの街路樹を追跡することも可能。全ての街路樹の詳細データを追うことができ、その木のツリーケアグループに参加して世話をすることもできる。アクティビティは記録したり共有したりすることも可能。保護活動の繋がりや環境保護推進への貢献が期待される。

相性のいい産業分野

環境・エネルギー

大気汚染物質除去量の多い地域や樹種を割り出し、研究に活用

教育・人材

教育現場の学習資料としてデータを活用

官公庁・自治体

ツリーケアグループアクティビティを開催し自然保護コミュニティ活動の活性化

生活・文化

自分の植林した樹木を追跡し生態活動の見守り

メディア・コミュニケーション

指定樹種や指定数値でクイズを作り出し、バーチャルとリアルを横断した宝探しゲームの開催

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。

Top Image : © City of New York