No.492
2021.11.12
寝ている間につけるだけで近視を矯正するコンタクトレンズ
オルソケラトロジーレンズ
概要
「オルソケラトロジーレンズ」とは、就寝時に装着するだけで近視を矯正することができるコンタクトレンズ。角膜自体の形状を変化させることで視力を矯正し、矯正された状態は一定時間持続するため、日中は裸眼でも生活できるようになる。視力矯正に多く用いられるメガネやコンタクトレンズと比べ、オルソケラトロジーレンズは日中に装着している必要がないため、普段激しい運動をするなど装着が難しい人でも快適な生活が可能。さらには、手術が必要なレーシックと違い、使用をやめれば角膜の形状は元に戻るため、使用リスクが少ない。1960年代にアメリカで研究が始まり、日本国内では2017年12月に子供にも処方できるようになったこともあり、将来的には幼児期からの安全な近視矯正法の選択肢となることが期待されている。
なぜできるのか?
角膜の形状を変化させることでピントを調節
近視の矯正には、目に入ってきた光が網膜上で焦点を結ぶよう、光の曲がり方(屈折率)を変える必要がある。オルソケラトロジーレンズは、角膜自体の形状を平らに矯正することで、屈折率を変化させピントが合うような状態を作り出している。
日中は裸眼状態でも視力を保つ持続性
オルソケラトロジーレンズの内側には、複数の特殊なカーブが設計されており、装着後に角膜の形状がカーブに沿ってゆっくりと変化していくことで近視が矯正されるが、この状態がレンズを外しても一定時間持続する。そのため日中は十分な視力を維持でき、裸眼で生活することができる。
近視の進行を抑える効果
強度の近視には効果が限定的だが、軽度な近視に対しては継続的な使用によって近視の進行が抑えられると言われている。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
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