No.493

2021.11.15

森林領域の地理空間情報アプリプラットフォーム

mapry(マプリィ)

mapry

概要

「mapry(マプリィ)」とは、森林領域を中心に、位置情報とその関連情報データである「地理空間情報」を誰でも活用できるアプリプラットフォーム。3次元の地形・地図や、樹高・立木直径などの測量データ、特定地点・区域の位置情報などの取得・利用ができる。3次元データの取得はこれまで、専用機器の操作や分析の難易度が高く、またコストがかさむことがあったが、mapryはiPadなどのモバイル端末を用いることで、手軽で低コストな取得を実現している。2021年10月より、森林・林業に関する試験研究機関である『国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所』と共同研究を開始し、技術改良や精度向上に取り組んでおり、将来的には林業や森林管理・測量・防災などに欠かせないツールになると期待される。

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なぜできるのか?

GISによる基盤構築

mapryは、GIS(地理情報システム)機能が実装されており、地理空間情報の提供を可能にしている。GISとは、地理的な把握や分析を目的に、位置情報を軸に様々な情報をまとめて電子地図上で扱う情報システム技術。GISは、GPS(全地球測位システム)で観測した位置情報や、地形図、空中写真データ、観測データなど多種多様な情報・データを、電子地図の上に層(レイヤー)ごとに分けて載せ、位置をキーにして結びつける。mapryでは、航空計測や現地測量データなどをWeb地図・地理院地図などに表示し、さらに重ねて表示ができる。また外部のGISデータとの連携やインポートも可能にしている。

モバイル端末の機能を用いた3次元情報の取得

mapryの3次元情報の取得は、iPadのLiDAR機能(レーザー光を用いた検知・測定)や撮影画像を活用して行う。例えば森林測量のケースでは、胸高直径(人の胸の高さで測る樹木の直径)・樹高・作業道・地形などの3次元データを取得できる。これまで専用の測量機器で取得していた3次元データをiPadから取り込むことも可能で、アプリプラットフォーム上で再活用できる。iPhone、iPadでは、アプリから3次元データの確認やデータ加工が可能となっている(Android用アプリは現在開発中)。

相性のいい産業分野

農業・林業・水産業

樹木の生育状況を把握し最適なタイミングで伐採する効率的な林業

生活・文化

植林データや地形情報を活用した防災マップ・避難計画の作成

環境・エネルギー

人の手が入らずに放置された人工林の実態把握と環境改善への活用

官公庁・自治体

国有林の管理や山林の個人所有者管理のデータベースとして活用

住宅・不動産・建築

山林購入時の環境把握や購入判断材料として活用

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © 株式会社 マプリィ