No.509
2021.11.25
指先サイズのチップで顕微観察を実現するUSBスティック
MID(マイクロイメージングデバイス)技術
概要
「MID(マイクロイメージングデバイス)技術」とは、指先に乗るほど小さいチップで顕微観察を可能とする特許技術。USBスティックに埋め込まれたチップの上に観察対象物を載せてPCに接続し、専用サイトにアクセスすることで顕微観察が体験できる。従来の顕微鏡のようにレンズやミラーで集光、拡大する必要がないため簡易でコンパクトな顕微観察を実現する。いつでも誰でも、場所を問わず顕微観察が身近なものになることで、医療への貢献はもちろん、教育現場での細胞・微生物観察にも応用されることが期待されている。
なぜできるのか?
メッシュ構造による顕微観察方式
「マイクロイメージングデバイス(MID)」とはワンチップで顕微観察が可能になる新しい顕微観察技術。MIDでは半導体でメッシュ構造を作り、メッシュの目の細かさで対象を観察する顕微観察方式も用いている。通常の顕微鏡が焦点の合っている所だけを見て画像化しているのに対して、MID技術では光を重ね合わせる事で対象物の特徴を捉えている。透明で観察しづらい細胞なども観察する事ができ、川の水を垂らせば、水の中にいる微生物の様子を観察することもできる。
USBスティック型で簡易な操作性
スティックのキャップを外し、パソコンに挿して専用ソフトウェアを起動させれば準備が完了、チップの上に検体を載せれば観察することが可能となる。インターフェイスはUSB3.0 Type Aとなっており、専用ソフトウェアはOS Windows10に対応(2021年時点)。
相性のいい産業分野
- 教育・人材
誰もがどこでも気軽に顕微観察ができる課外授業やイベント
- 食品・飲料
チップを食品の品質チェックロボットに応用
- 農業・林業・水産業
微生物の動きを観察を継続的に観察することによる農業のスマート化
- アート・エンターテインメント
微生物や細胞の動きをデジタル表現に用いたアート作品
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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