No.513
2021.11.29
ロボットの指先に触覚を与える人工皮膚
ReSkin(リスキン)
概要
「ReSkin(リスキン)」は、人間の繊細な触覚をロボットに学ばせることができるタッチセンサー合成皮膜。厚さ3mm未満のゴム状プラスチックに磁性粒子が散りばめられており、磁気センサーで磁場を変化させることで仮想オブジェクトの触感をリアルに知覚できる。従来の触覚ロボットスキンは皮膜と装置が連結していたが「ReSkin」では両部位を分離したため、皮膜部分の取り外しができ汎用性と耐久性を実現。開発元のMeta(旧 Facebook)は設計モデルをオープンソースとして公開しており、VR(仮想現実)での実装が期待されている。
なぜできるのか?
1秒間に最大400回の磁場変化を記録
「ReSkin(リスキン)」には厚さ3mm未満のゴム状プラスチック製の皮膚部に磁性粒子が散りばめられており、皮膚部がオブジェクトに触れることで生じる磁場の変化をマイクロチップが記録してAIに送信し、触覚に変換される。マイクロチップは1秒間に最大400回の磁場変化を記録できるほか、機械学習によりセンサーの自動調整も行われる。
低コスト化と汎用性・耐久性を実現
従来の触感ロボットスキンは、発生する電気的変化を追跡するための電子機器を組み込み型で必要とするものがほとんどだったが、「ReSkin」は皮膜部分と追跡装置を分離したため、皮膜部分の取り外しや交換が可能。結果、皮膚部分の製造コストを抑え、汎用性と耐久性を実現した。
メタバースへの実装の可能性
開発元のMeta(旧 Facebook)は「ReSkin」の設計、関連ドキュメント、コード、基本モデルをオープンソースで公開しており、研究者は既存の学習モデルで「ReSkin」をすぐに使うことが可能。VR(仮想現実)をよりリアルに知覚するための実装に用いられることが期待されている。
相性のいい産業分野
- ロボティクス
人間と同等の繊細な手作業が可能なロボットの製造
- 生活・文化
メタバースでのビジネスや暮らしにリアルな触覚を付与
- アート・エンターテインメント
VRと組み合わせることでゲームで内でのキャラクターとの触れ合いを実現
- IT・通信
遠く離れた人との触覚を通じたコミュニケーション
- 医療・福祉
医療現場における遠隔のロボット触診
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。
Top images:© Meta