No.553
2022.01.11
VR・ARの世界を進化させる、小型高精細ディスプレイ
OLEDマイクロディスプレイ
概要
「OLEDマイクロディスプレイ」とは、小型かつ高精細さを実現した有機ELディスプレイ。有機ELディスプレイとは、優れた動画応答や鮮やかな色彩表現が可能な自発光型ディスプレイデバイスであり、一般的には数十〜数百μmほどの画素サイズを持つ(テレビやスマートフォンなどに活用される)。また、OLEDマイクロディスプレイは、独自の有機EL技術によって画素サイズを数μmまで小型化。10円玉ほどのデバイスサイズでありながら、高解像度の画像を映し出すことができる。将来的には、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)向けの小型ディスプレイとして、ARグラスやVR-HMD(ヘッドマウントディスプレイ)への活用や、メタバース分野に向けた技術拡大が期待されている。
なぜできるのか?
精細な映像表現を可能にするデバイス構造
高画質な映像表現を実現するために、OLEDマイクロディスプレイのデバイスには、カラーフィルター(CF)を持つ、トップエミッション白色有機EL方式を採用。薄型のデバイス内部は、ガラス基板、CF、白色有機EL層、シリコン駆動基板技術で構成されており、白色有機EL層にある発光分子による白色光が、上層部の画素ごとに異なるCFによって分光されることで、鮮やかな色彩を表現している。
微弱な電流を緻密に制御
OLEDマイクロディスプレイは、高精度な半導体シリコン駆動技術によって、デバイス内の電流を緻密に制御。スマートフォンなどで用いられる有機ELディスプレイの、1000分の1以下の微弱な電流を電圧で緻密に制御することで、ピッチ(間隔)が細かい画素でも正確に発光させることができる。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
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