No.555

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2021.12.27

あらゆる⾝体技能を自分にインストールできる習得システム

エラーレスラーニング by ISID

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概要

「エラーレスラーニング」とは、学習者が失敗をしないように課題や環境を調整して成功体験を積み重ねながら技能を習得するためのアプローチである。「エラーレスラーニング by ISID」ではあらゆる身体的動作を伴う技能にこのアプローチを応用し、コンピュータによって学習者の習熟度に応じたレベルの課題を提供し続けることで、習得効率とモチベーションを⾼められる。特徴的な手法のひとつが"Mediated-Timescale Learning"で、お手本の速度やバーチャル練習環境における時間の流れる速さをAIが調節することで、コーチが面倒を見なくても課題の難易度を学習者にとって最適に設定できる。身体動作の修練・習得が必要となる新人教育やスポーツ、医療のリハビリテーション、伝統芸能の伝承など、あらゆる分野での活用が見込まれており、初心者を対象とした技能の新規獲得に貢献することが期待されている。

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なにがすごいのか?

  • AIによる、学習者のスキルレベルに調節された課題の提供

  • 技能学習時のモチベーション低下傾向を軽減

  • コーチ1人で多人数の生徒個別指導、コーチなしでの個別指導の実現

なぜ生まれたのか?

幼少期や学生時代に、運動が苦手で悔しい思いや劣等感を感じてしまったまま子どもが育ってしまうケースは少なくない。真剣に取り組んでいてもまったく終わりの見えない練習や、どんどん周囲に置いていかれる状況から、運動や身体を動かすこと自体が「向いていない」と嫌いになってしまう。このような負の連鎖を断ち切るために、本知財は研究・開発された。ITやAIの進化は人々の情報処理能力を飛躍的に向上させているが、運動能力向上に貢献する技術は未だ発展途上である。「エラーレスラーニング by ISID」ではAIをはじめとしたテクノロジーを用いることで、運動嫌いの回避に留まらず、いつでも誰でも好きな運動スキルを獲得できる社会の実現を目指している。本知財は、東京大学暦本研究室が開発した「Mediated-Timescale Learning」のアプローチを、電通国際情報サービス(ISID)がさらに発展させたものである。

妄想プロジェクト 妄想プロジェクト

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日替わりスキルで好きなように生きていく、パラレル・ワークスタイル

ある時はカリスマ美容師として接客し、ある時はミシュランシェフの料理をサーブ、またある時には宇宙飛行士として無重力空間を自在に動き回る…。リモート社会の実現により働く場所の選択は自由になりつつある現代だが、さらなる未来には職業自体を自由に横断する「超・複業」の時代がやってくるだろう。

VRと触覚デバイスをかけ合わせ、高精度に進化した未来のエラーレスラーニングを用いれば、あらゆる人々が才能や年齢に左右されることなく短期間で効率的に専門スキルを獲得することができる。技術や文化はデジタル上に保存され誰もがアクセス・インストールできるようになり、後継者不足は解消され、従来型の雇用システムを脱却した自由なワークスタイルが確立される。全ての人々がかつて夢見た職業を諦めることなく、挑戦する機会を等しく持つことができる世の中が、エラーレスラーニングにより実現するかもしれない。

荒井 亮

妄想家 荒井 亮

妄想家 荒井 亮

妄想画家 ajisa

妄想画家 ajisa

なぜできるのか?

学習者のモチベーション維持

技能習得のためにしばしば行われる単純な試⾏錯誤型の練習は、「⾮効率/⾃分に合ったレベルの練習ができず、練習に終わりが⾒えない」「懲罰的/失敗続きで、⾃分⾃⾝が下手であることを意識させられ続ける」「獲得情報が曖昧/今⾃分が正しい動きをしているのかどうかわからない」という課題があった。これは、モチベーションが低下しやすく怪我のおそれもあり、うまく技能習得がなされない結果として、その技能や伝統が社会から失われることにもつながる。一方で「エラーレスラーニング by ISID」では、学習者がなんとか達成できるレベルの課題を提供し続けることで失敗を回避し、習得効率とモチベーションを⾼めることができる。効率的な練習となるよう適正な管理と評価が行われるため技能を⾝につけやすく、成功体験を連続して与えることができるため⾃信がつきやすい。

指導管理側の負担軽減

本来、エラーレスラーニングは性質が個別指導に近いため、指導管理側の負荷が⾮常に⾼い。しかし、AIを用いてエラーレスラーニングを実現することで、指導管理側の負担なしにメリットを享受でき、コーチレス個別指導やスケールする個別指導(コーチひとり+システムで大人数を同時指導)も可能となる。

AIを用いた「Mediated-Timescale Learning」

スポーツ等において、素早い動きを初心者がゼロから練習しても上達は困難である。そこで、VR等を用いて練習環境における時間の流れる速さをAIが自動調節する「Mediated-Timescale Learning」を利用すれば、練習難易度を最適に設定できる。東京⼤学暦本研究室の先⾏研究では、球をラケットの中⼼に当てるテニスのボレー練習を対象に、⾶んでくる球のスピード(≒時間の速さ)を⾃動制御して習得速度を速める実験を行なった。この手法と考え方を、⾝体動作習得全般に応⽤することを本知財は目指している。

継続体験フローを可視化

「お手本」と「自分の動き」を重ね合わせて差異を可視化することで、できた度合いを考慮しながら継続的に体験ができるよう設計。ディスプレイ、もしくはVRゴーグルを用いてユーザーは自身の身体のモーションキャプチャと、目指すべき理想のモーションを重ね合わせて違いを感覚的に知ることができる。AIの評価システムにより、重ね合わせの差異が大きい場合はより簡易になるようにモーションのスピードを自動調整、身体のどの部位に大きな差異が出てしまっているかを可視化する。課題レベルが適正になることでエラーがない練習による成功体験の積み重ねができ、学習者は自信をつけながら学習することができる。

相性のいい産業分野

スポーツ

学校教育やジムへ導入することによる、適正な運動指導と能力拡張

教育・人材

一人の先生が100人の生徒に対してパーソナライズされた個別指導ができるラーニング・システム

生活・文化

次世代に残すべき匠の技術や伝統芸能をAIで保存・継承

製造業・メーカー

工場などの監視システムに導入することによるヒューマンエラーの軽減、誰にでもわかりやすい技能研修

医療・福祉

身体にハンデを負ってしまった人の、復帰のためのリハビリテーションに活用

アート・エンターテインメント

遠隔にいながら大人数で一つのモーションデータを共有したダンスの練習

航空・宇宙

未来の宇宙旅行や宇宙生活に向けた、無重力空間の擬似運動体験

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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