No.557

2022.01.14

台風でも安定的に発電できる風力発電機

垂直軸型マグナス式風力発電機

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概要

「垂直軸型マグナス式風力発電機」は、全方向の風向きに対応できる“垂直軸型”の風力発電機。円筒を回転させることで発生するマグナス力(物体を回転させた際に風向きに対して垂直方向に働く力)を活用して発電する。本発電機にはプロペラがなく、従来では破損の可能性があり発電に課題のあった台風並みの強風(風速40m/秒)まで安定的に発電し電力供給が可能。また、回転速度が緩やかなため、騒音やバードストライクといった環境負荷を抑える構造になっている。今後、台風が頻繁に襲来する地域や洋上風力発電の主力となることが期待されている。

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なぜできるのか?

様々な規模の風力から安定的に発電し電力供給

一般的に風力発電機はプロペラを回転させることで発電するが、「垂直軸型マグナス式風力発電機」は、マグナス力(物体を回転させた際に風向きに対して垂直方向に働く力)を活用し、円筒の回転数により発電し電力を供給。木の葉や小枝が動くほどの風速4m/秒~風速40m/秒まで対応し様々な風力で発電でき、台風のような強風まで、安定的に電力を生み出せる。

“垂直軸型”であらゆる方向の風に対応

従来の風力発電機では、プロペラを風に向ける必要があったが、本発電機は垂直軸型のため、あらゆる風向きに対応。プロペラに比べて低コストで、強風によりプロペラが折れるといったケースが少ないのも特徴で、最大風速70m/秒(台風のような暴風)の風に耐えられるように設計されている。

洋上風力発電など様々な環境での使用に期待

開発元の株式会社チャレナジーは、2025年に100KWの中型機の量産を検討。離島や遠隔地における独立電源としての活用のほか、台風が頻繁に襲来する地域における風力発電の主力となることが期待されている。また、洋上風力発電で作った電気で海水を分解し、発生した水素をエネルギーとして活用するなど、循環型システムの構築も考慮に入れているという。

相性のいい産業分野

環境・エネルギー

木の葉や小枝が動く程度の風から台風のような強風まで、様々な風力の風から安定的に電力を供給

農業・林業・水産業

洋上風力発電で発生した電気で水を分解し、発生した水素をエネルギーとして活用

官公庁・自治体

様々な風力から発電可能なため、場所を問わずに設置し電力を供給することが可能

流通・モビリティ

自動車や船舶の屋根に設置し、移動で相対的に発生する風から電力を供給

航空・宇宙

より頑丈に設計することで、木星など他天体に吹く宇宙風から遠隔で電力を供給

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top images:© 株式会社 チャレナジー