No.558
2022.01.17
無人運転で自立走行可能な3m四方の船
海床ロボット
概要
「海床(うみどこ)ロボット」は無人運転で自立走行可能な小型自動運転船。1辺3メートルの正方形(8人乗りサイズ)で、2馬力、秒速6メートルで走行し、電気で動き、自動で離着岸ができるほか、タブレット端末で遠隔操作できる。また、四隅に取り付けられた4つのスクリューで、ドローン同様前後左右斜めの全方位に移動することが可能。今後は都市部の水辺を拠点に、水上での交通・物流のほか、水上レストランなどのエンターテインメントや災害への対策など用途に合わせた運航で、水域利用を活性化しさまざまな課題の解決策となることが期待されている。
なぜできるのか?
船舶免許が不要な仕様
「海床ロボット」は8人乗りで1辺3メートルの正方形。船舶免許が不要な「ミニボート」の範囲に収まるサイズにし、馬力も船舶免許が不要な2馬力、秒速6メートルにとどめられている。また今後、複数の海床ロボットを同時にコントロールする「群制御」の導入が検討されており、小さい海床ロボットを集めた船舶ロボットとしての群走行をする場合は、大型船舶よりも導入コストを抑えた商船として活用できることが期待されている。
自動運転や遠隔操作が可能
本ロボットの四隅にはスクリューが取り付けられており、ドローンのように前後左右斜めの全方位に動くことができ、回転も可能。あらかじめ設定した航路に沿って動く自動運転機能に加え、タブレット端末を使った遠隔操作もでき、自動で岸壁に離着岸し、自動で非接触充電する機能も今後検討されている。
水辺のさまざまな社会課題の解決に期待
本知財は、交通や物資の運搬といった水上モビリティや、ドローンを使った運搬との連携、レジャーやエンターテインメントへの応用を通して、利用頻度が低くなった水域を活性化するほか、インフラ点検や高潮をはじめとする災害に対する対策など、都市部の水辺におけるさまざまな社会課題の解決へ貢献することが期待されている。
相性のいい産業分野
- 流通・モビリティ
水上の輸送や交通の手段として活用
- アート・エンターテインメント
「海床ロボット」を活用した「水上レストラン」や「水上フェス」
- 官公庁・自治体
高潮などの災害に対する対応策として活用
- 農業・林業・水産業
小型の船舶として沖合での漁業に使用
- 旅行・観光
「海床ロボット」で水上の街を観光する周遊ツアー
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top images:© UMIDOKO ROBOT Project