No.559

2023.08.03

全身の動きをトラッキングする小型・軽量なモーションキャプチャー

mocopi(モコピ)

mocopi

概要

「mocopi」とは、6つの小型・軽量なセンサーの装着で、全身の動きをトラッキングできるモーションキャプチャーシステム。スマートフォンの専用アプリでリアルタイムのモーションデータを取得でき、アバター操作や動画制作などが可能。従来の一般的なモーションキャプチャーは、多数のカメラがあるスタジオ設備やオペレータ、全身スーツなどの着用が必要で使いづらさがあったが、「mocopi」は屋内外での手軽な活用を実現している。ゲームやイベント、フィットネス、メタバース関連サービスでの活用が見込まれており、VR・ARなどの社会実装をより一層加速させると期待されている。

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なにがすごいのか?

  • 小型・軽量なセンサーでフルボディのモーションキャプチャーが可能

  • センサーとスマートフォンでアバターの動きをリアルタイムに操作

  • 6箇所のセンサーで高精度のモーション計測が可能

なぜできるのか?

手軽に装着できる小型・軽量センサー

センサーは、直径32mm×厚さ11.6mm、重さ8gと小型で軽量。頭部、両手首、腰、両足首の6箇所に装備する仕様となっている。各箇所への装備は、付属のマジックテープ式バンドとクリップで簡単に装着できる。また完全ワイヤレスのため、電源やケーブルの制約もない。センサーと専用アプリをインストールしたスマートフォンとBluetoothすることで、モーションデータの取得などが可能となる。

動きを捉えるセンサー技術と独自のAIアルゴリズム

独自のセンシング技術と独自開発したAIアルゴリズムを実装。加速度センサー・ジャイロセンサーで装着者の動きや傾き、回転などを検知してデータ化し、3次元で関節位置や姿勢を推定。人の様々な動作を学習させたAIモデルで位置誤差を補正すると共に、センサーを装着していない肘・膝などの関節位置の推定も行っている。それにより、少ないセンサー個数で高精度な全身のモーションキャプチャーを実現している。

アバター動画の制作やデータ書き出しなどが可能なアプリ

スマートフォンの専用アプリで、取得したモーションデータを用いたアバター動画などの映像制作が可能。アプリでセンサーをペアリングした後、センサーを装着し、キャリブレーションで位置や方向などの定義を行ってアバターを選択すると、リアルタイムでアバター操作が可能となる。別ツールで作成したアバターの読み込みもでき、背景画像などの合成もアプリ内で行える。制作したデータはmp4などの動画データやモーションデータとして書き出して、スマートフォン上に保存可能。またメタバースや3Dのサービス開発などを想定して、アプリ開発用のソフトウェア開発キット(Software Development Kit)も展開している。

相性のいい産業分野

メディア・コミュニケーション

VSingerやVTuberによるライブ・イベントの開催

アート・エンターテインメント

アバター操作者のリアルな動きで競うeスポーツ世界大会の開催

生活・文化

メタバースのジムでトレーナー指導が受けられるフィットネスツールの開発

ロボティクス

モーションデータを用いた人手不足を補うロボットの開発

医療・福祉

生前の姿をしたリアルアバターにいつでも会いに行ける癒しツールの開発

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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