No.563
2022.01.24
電池要らずで飛ぶ昆虫型のドローン
昆虫スケール羽ばたきロボット by 豊田中央研究所
概要
豊田中央研究所が開発する「昆虫スケール羽ばたきロボット」とは、電池要らずで飛行できる昆虫サイズの羽ばたきロボット。電磁波を用いたワイヤレス電力伝送により、電池なしでも離陸できる。従来、小型の飛翔ロボットは、軽量なため高出力の電池が積めず、長時間の飛行は困難だった。一方、豊田中央研究所はワイヤレス電力伝送技術と高効率な羽ばたき構造によって、電池を用いることのない総重量わずか1.8gの飛翔ロボットを実現。将来的には、コミュニケーションデバイスや、空気の温度や線量、汚染などを測る環境センシングや、災害地での探索活動などへの応用が期待されている。
なぜできるのか?
軽量かつエネルギー効率の高い受電装置
昆虫型ロボット本体は、アンテナと整流器(交流を直流に変換する素子)からなる受電装置によって、電磁波を受け取り電力を出力。用いられる受電装置は、既製のドローンバッテリーなどに使用されるリチウムポリマー電池よりも、高いパワーウェイトレシオ(重量に対する出力の割合)を持ち、これによりロボットの軽量化と持続性を実現している。
高効率な羽ばたき飛行
翼の作動には、モーターの回転力を直接翼に伝達させるダイレクトドライブ方式を採用。さらに翼自体は、昆虫の羽を模倣した、拍手するように2つの翼が向かい合う構造になっており、これらの構造的工夫によってエネルギー損失の少ない羽ばたき飛行を可能にしている。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © 株式会社 豊田中央研究所