リサイクルではなく「リユース」

ゴミを資源として再度使用するための「リサイクル」には、運輸、分類、そして新しいものを製造するためのエネルギーが必要になるという課題があった。一方で使用済み容器を回収して洗浄し、原型のまま再利用する場合にはエネルギーや新たな原材料の消費も節約することが可能となる。「Loop」は再利用までの工程を極力少なくすることで、必要なエネルギーの消費を削減して循環型経済システムを基準とした、ゼロ・ウェイスト（ごみを出さない）を実現することを目的としている。

循環型のショッピング体験

「Loop」では、ユーザーが注文時に預り金（デポジット）を支払うことで商品が提供される。ユーザーは商品の中身を消費したのち、容器を簡単にすすいで配送時に受け取った「Loopトート（緩衝材などの使い捨て資材を利用せずに、大小様々な形状の容器を保護することが可能なデザインを採用）」に収納。商品配送時に同梱されていた返却用伝票に配送元住所を記入して、次回配送時の配達員へ渡す。返却したLoop容器は再利用のために洗浄・充填が行われ、ユーザーの預り金はLoop容器の返却後にLoopアカウントに反映される。

スタイリッシュなLoop容器

Loopに登録されている商品はオンラインかLoopに参画する実店舗で購入でき、オンラインの場合の返却は次回配達時に、店舗の場合は空容器を持参することでその都度回収してもらうことができる。Loopで使用される容器は、地球環境への配慮だけではなく、スタイリッシュな「デザイン性」、耐久性と使いやすさを考慮した「機能性」、ゴミを処理する手間が省ける「利便性」など、サステナビリティを考慮したデザイン基準が設定されている。高品質なフォルムにより、インテリアとしてもユーザーが使いたくなる容器デザインが魅力となっている。

最先端の洗浄技術

Loopでは洗浄業界をリードする企業と協業した、最先端の戦場技術により最高の安全水準を保持。全ての容器は、形状や商品毎に分類され、商品ごとに適した方式で殺菌洗浄される。食品衛生管理法に基づいた洗浄と殺菌プロセスを採用し、自社の耐久性・洗浄テストをクリアし、基準を満たしたものだけを再利用。最低10回の充填、配送、利用と洗浄サイクルに耐久可能な素材を利用している。

さまざまな企業が参加

「Loop」は2019年5月にアメリカ、フランスで試験的にスタート。2021年5月に日本に上陸し、8月31日からは東京（離島を除く）・神奈川・千葉・埼玉の在住者を対象にECサイトの試験運用を開始した。現在は、イオン、味の素、キッコーマン、資生堂、アース製薬など大手企業をはじめとするさまざまな企業がLoopのサービスに参加している。