No.583
2022.02.06
水をかけるだけのナノガラスコーティング技術
NANO SHINE(ナノシャイン)
概要
「NANO SHINE(ナノシャイン)」とは、水をかけるだけでガラス被膜を形成するナノレベルのガラスコーティング技術。普通の水道水を、セラミックを含んだ装置を通して散布するだけで、ナノメーターレベルのガラス被膜を作ることができる。従来、車などのガラスコーティングは、手順の複雑さと大掛かりな作業の必要性から、時間と手間がかかることが課題だった。一方、NANO SHINEによるガラスコーティングは工程がシンプルかつ、被膜の薄さによって乾きが速いため、作業時間を3分の1に短縮可能。また、従来のコーティング技術と比べ化学薬品を使用しないことから、環境負荷の少ない技術として今後さらなる活用が期待されている。
なぜできるのか?
水道水とセラミックスによるコーティング剤の生成
NANO SHINEは、水道水をシリカ成分の含まれるセラミックスが組み込まれた装置に通すことで、ナノメーターレベルのガラス分子が溶け込んだコーティング剤を生成。このコーティング剤を塗布し水分を飛ばすことで、ナノレベルに薄いガラス被膜を形成することができる。
被膜の薄さによる作業の効率化
一般的なガラスコーティングの被膜が100ミクロン~300ミクロン(1000分の1ミリ)なのに対し、NANO SHINEは20〜60ナノメートル(100万分の1ミリ)程度。そのため、従来は必要であった車体の動く部分へのマスキングをせず、車体丸ごとガラスコーティングを施すことが可能。また、コーティングのガラス被膜が薄いため乾きも速く、作業時間を大幅に短縮することができる。
相性のいい産業分野
- 流通・モビリティ
バスや電車、飛行機など大きさを選ばないモビリティのガラスコーティング
- 製造業・メーカー
家電や大型プロダクトの汚れ防止コーティングとして活用
- 生活・文化
好きなものを自分でコーティングできる自家用コーティングマシン
- アート・エンターテインメント
思い出の品を錆や汚れから守る保管コーティングサービス
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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