No.599

2022.02.15

AIを用いてESG評価を行う分析・評価ツール

S-Ray(エスレイ)

S-Ray(エスレイ)

概要

「S-Ray(エスレイ)」とは、AIを用いて企業のESG(環境、社会、ガバナンス)評価を行う分析・評価ツール。機械学習やビッグデータを基にした200項目以上のESG指標から、独自のスコアリング方法によって企業のESG評価を算出する。従来、ESG評価は業界ごとに専門のアナリストによって行われるため、1年に1度の頻度で実施されることが基本であった。一方、S-RayはAIを活用することで、日毎に評価および情報の公開が可能。企業のESGに向けた取り組みを活性化させる知財として、今後さらなる活用が期待されている。

なぜできるのか?

ビッグデータから評価指標を設定

S-Rayは、企業の公開情報と世界170カ国の3万以上の情報源から、200項目以上のデータを収集・分析することで、ESG評価指標を算出。膨大な情報をスコアに反映し情報を収集・分析することで、データに基づいた客観的評価を行ない、アナリストを起用しないデータ主体でブレのない評価指標となっている。

さまざまな観点で評価するスコアリング方法

S-Rayは、財務面でみた業種ごとの重要課題と株価へのインパクトを考慮した「ESGスコア」と、非財務面でみた企業の社会的責任を評価する「GCスコア」の、二つの方法を主軸に企業を評価。また、化石燃料、原子力、豚肉など特定の事業活動毎に企業を検索できるツール「プリファレンス・フィルター(選好フィルター)」や、温室効果ガスの排出による地球温暖化対策への寄与の度合いを数値化して示す「気温スコア」なども場合に応じて活用することができる。

企業ごとに重要なデータを提供

S-Rayは、AIや機械学習の活用によって、膨大な情報の中から企業の業績に直結するような重要なファクターを導き出すことが可能。また、企業が評価の理由を知りたいときに、どのデータからそのような結果が導き出されたのか、根拠となるデータまでたどることができる。

相性のいい産業分野

生活・文化

ESG観点での企業活動の促進と評価

メディア・コミュニケーション

ESGに関心を持ってもらうために企業のESG事業情報をメディア発信

官公庁・自治体

自治体におけるESG評価・改善に活用

教育・人材

現代社会の課題や展望についてESG評価データを参考に考える授業や講習の実施

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。

Top Image : © Arabesque S-Ray