No.607

2022.02.21

人の手の動作を忠実に再現するアバターロボット

MELTANT-α(メルタント・アルファ)

meltin nr180312-2

概要

「MELTANT-α(メルタント・アルファ)」は、人の手の動作を忠実に再現できるアバターロボット。筋肉や腱、関節による複雑な手の動作を模倣し、それらをワイヤー駆動を用いることで忠実に再現することができる。従来、ワイヤー駆動によるロボットハンド操作は制御が難しく、人の手のような繊細な動きを再現することは困難だった。一方、MELTANT-αは独自の制御アルゴリズムによって、卵を割らずにつかんだり、ペットボトルのキャップを開けたり、4kg以上の物体を両手で支えるといった、力強さと繊細さを両立した動作の再現が可能。将来的には、人が入れないような過酷な環境下での作業や、リモートでの警備などさまざまな分野での活用が期待されている。

なぜできるのか?

生体模倣により、動作の力強さと繊細さを実現

MELTANT-αの動作構造は、人の手の構造を徹底的に調べ、「生体模倣」することから着想を得ている。複数の筋肉群が複数の関節を動かす手の動きを、ワイヤー駆動と独自の制御アルゴリズムによって再現。従来のロボットではできなかったような力強く繊細な動きを、人の手と同等のサイズ・重量で可能にしている。

動作をリアルタイムで忠実に解析する処理技術

MELTANT-αは、独自の生体信号処理アルゴリズムによって、多彩な生体信号を高精度かつリアルタイムで解析可能。チョキや親指を曲げる、手首をそらすといった複雑な動作を約0.02秒で追従し再現することができる。また、情報送信のアルゴリズムを最適化することで、18,900 km離れた場所からでも遅延なく動作させることが可能。

過酷な環境下にも適応するプロダクト設計

MELTANT-αは、独自の駆動メカニズムによって、アクチュエータ(駆動装置)にかかる負荷を分散。万が一の故障の際も、他の正常なアクチュエータで動作を補うことができ、過酷な環境下でも適応し作業できる。また、ワイヤは弾力性を持つ高分子ワイヤーを使用しており、耐衝撃性能も高い。

力覚をフィードバックする事で力加減を調整可能

MELTANT-αは、モノをさわった時に感じる反力感覚である「力覚」を操作者にフィードバックする機能を実装。作業時の力加減を直感的に調整することができる。現在は圧力のフィードバックが実現可能であり、今後は質感のフィードバックも実現予定。

相性のいい産業分野

製造業・メーカー

遠隔からのサイボーグを使った製造作業や点検

環境・エネルギー

生物が入れない自然環境や汚染環境下での作業に活用

医療・福祉

力覚フィードバックを得ながら行える遠隔手術ロボット

旅行・観光

VRと合わせて実際に現地に行かなくてもリアルな体験ができる観光サービス

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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