No.608
2022.02.22
肉眼では見えないQRコードを埋め込む技術
InfraredTags(インフラレッドタグス)
概要
「InfraredTags(インフラレッドタグス)」は、3Dプリンターで成形する物体の内部に肉眼では見えないQRコードを埋め込む技術。可視光を通さず、赤外線をある程度透過する樹脂素材を用いて成形しながら、内部にQRコード状の隙間を作っておくことで、赤外線カメラで観た時にのみQRコードを認識することができる。従来の表面に印刷するQRコードやバーコードと違い、物体の内部にQRコードが存在するので、こすれて消えることがなく、見た目への影響もない。将来的には、見た目を気にせず成形物に任意の情報を埋め込める技術として、プロダクト分野でのさまざまな活用法が期待されている。
なぜできるのか?
赤外領域で半透明になるIRフィラメントの使用
InfraredTagsは、3Dプリンタで利用でき、かつ赤外領域では半透明になる特徴を持つIR(infrared:赤外線)フィラメントを使用。成形時に内側に隙間を残すと、赤外線カメラで観た時にその隙間が透けてはっきりと浮かび上がる。そのため、QRコードに限らず様々なコード情報や形状を3Dオブジェクト内部に埋め込むことが可能。
誰でも活用できるユーザーインターフェースやモジュールの開発
InfraredTagsを活用するためのツールとして、ユーザーがタグを読み込み、3Dデータの任意の位置に配置できるユーザーインタフェースを構築。さらには、どこでも赤外線タグを検出できるように、既存のモバイル機器に取り付け可能な赤外線撮影用小型モジュールを作成。特別な装置を必要としないため、ユーザー自身で簡単にオリジナルの活用法を考え実装することができる。
相性のいい産業分野
- 製造業・メーカー
商品や説明書の情報を内部に埋め込んだプロダクト製作
- 生活・文化
コードを読み取ることでコントローラーにもなるオリジナルの3Dプリントプロダクト制作
- IT・通信
AR環境でのスマホを使ったデバイスの遠隔操作や情報の読み取り
- アート・エンターテインメント
赤外線を使ってヒントを探す謎解きゲーム
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © マサチューセッツ工科大学