No.617
2022.02.28
赤外線レーザーで血糖測定から「痛み」を除去
非侵襲血糖値センサー
概要
「非侵襲血糖値センサー」とは、赤外線レーザーを活用した血糖値センサー。採血や穿刺なしで血糖値を測定することができる。従来、糖尿病患者は血糖値の正確かつ継続的な把握のために1日に何度も穿刺し採血しなければならず、肉体的苦痛、精神的ストレス、医療廃棄物の発生など多くの問題を抱えていた。一方「非侵襲血糖値センサー」は、光に約5秒手をかざすだけで血糖値を測定でき、測定結果はスマートフォンで確認可能。感染症のリスクもなく手軽に安全に測定できることから、糖尿病患者のQOL(生活の質)の向上やコスト削減、健康寿命の延伸への貢献が期待されている。
なぜできるのか?
血糖値を選択的に測定する中赤外光
従来、血糖値の測定には近赤外光(0.78μ〜3μmの短い波長の赤外光)が用いられてきたが、糖以外の血液中の成分も測定されるため、正確な測定が難しかった。そこで「非侵襲血糖値センサー」では波長6μm〜9μmの高輝度中赤外光レーザーを使用。グルコースの値のみの選択的な測定が可能となった。
中赤外光を用いた高輝度赤外線レーザー
開発では、反射率の高い鏡を向き合わせた「光パラメトリック発振器」で近赤外光を中赤外光に高効率に波長変換。従来の光源の約10億倍の明るさの高輝度赤外線レーザーの開発に成功した。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
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