No.641
2022.03.16
大気汚染物質を閉じ込めたサステナブルなタイル
カーボンクラフトタイル
概要
「カーボンクラフトタイル」とは、廃タイヤを熱分解処分した際に発生する大気汚染物質であるカーボンブラックをタイルの中に閉じ込めることで、空気中の汚染物質を低減するタイル。計算上、カーボンブラックを封じ込めることで、タイル1枚あたり3万リットルの空気をきれいにできる。近年、大気中のCO2を回収し再利用する「カーボンリサイクル」の実用化が進んでいるが、カーボンブラックの有効利用は進んでいなかった。「カーボンクラフトタイル」はカーボンブラックをタイル原料に含めることで有効活用し、そうして生まれる高い炭素含有量のタイルは通常のタイルよりも優れた強度を実現。大気汚染を改善するプロダクトとして活用が期待されている。
なぜできるのか?
「Air-Ink」に使用される技術を応用
開発元のCarbon Craft Design社は、「Air-Ink(エアインク)」(排気ガスから作られたインク)を開発したGraviky Labs社の技術を応用して精製された粉末状の炭素(カーボンブラック)を、油圧プレスによってタイルに封じ込め、大気汚染物質を捕捉する技術を開発。
カーボンブラックを天然素材と融合し、高強度を実現
精製されたカーボンブラックを、採石場で採掘されたセメントや大理石の廃棄物といった天然素材と混合することでカーボンクラフトタイルを製造。製造されたタイルは持続可能なだけでなく、その多く含まれる炭素含有量のために従来のセメントタイルよりも高い強度を持つ。
油圧プレスによる生成
タイルは焼かずに油圧プレスで生成されるため、通常のタイルの生成と比較すると5分の1のエネルギーで生成できる。
相性のいい産業分野
- 資源・マテリアル
大気汚染物質を吸収するタイル
- 住宅・不動産・建築
「カーボンクラフトタイル」で建築された持続可能な素材の家
- 環境・エネルギー
地域ごとの環境汚染を閉じ込めたタイル
- アート・エンターテインメント
特定の場所と時代の空気を閉じ込めたタイルから作られた彫刻作品
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © Carbon Craft Design