No.644
2022.03.17
空中に立体映像を浮き上がらせるディスプレイシステム
パリティミラー
概要
「パリティミラー」とは、物体の映像を空中に浮き上がらせるディスプレイシステム。箱の中に物体を入れると、光の集合で真上に空中映像が出現する。箱の中の無数の鏡が、箱の中に入れた物体の光線を細かく分割し集約し、「光の集合による実像」として空中に映像を出現させる。パリティミラーによる空中映像は、映像を見る距離や位置に関わらず表示でき、リアリティの高い臨場感を得られるほか、3D映像を見るのにメガネやHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などのデバイスを必要としないため、複数人で同時に楽しむことが可能。将来的に、センサーと組み合わせることで、空中映像のボタンを押すことで実際のボタンが押せるといった、映像に対する働きかけが現実と連動する仕組みを作ることが可能と期待されている。
なぜできるのか?
2面コーナーリフレクタアレイ構造
「パリティミラー」は、板の表面に1mm以下の鏡を数十万個配置。この鏡は直角2面にした垂直鏡面(2面コーナーリフレクタ)構成で配置し、それにより投影する物体からの光が直角面で2回反射することで、光線を空中に集めて結像させ、光の実像を空中に映し出す。
目への負担や疲労感を軽減
従来、VR(仮想現実)は、目の前にあるスクリーンを見ていながら、脳は奥行きを感じられる仕組みのため、目に大きな負担がかかることが知られていた(輻輳矛盾)。一方「パリティミラー」は空中に光の実像を映し出すため、疲労感なく使用できる。
非接触の空中スイッチとして活用
赤外線やカメラカメラセンサと連携して指の位置をセンシングすることにより、パリティミラーで空中に投影されたスイッチに触れることで反応する非接触スイッチへの応用が可能となる。
相性のいい産業分野
- 医療・福祉
接触感染リスクが少ない非接触な空中スイッチ
- メディア・コミュニケーション
プロジェクターなしで3Dホログラム広告
- 教育・人材
絵が空間に投影される「とびだす絵本」
- 住宅・不動産・建築
建築図面を3D化しプレゼンに利用
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top images:© 株式会社 パリティ・イノベーションズ